みみの無趣味な故に・・・

読書感想、本にまつわるアレコレ話。時々映画、絵画鑑賞の感想も書いてます。

『まち』 小野寺 史宣

 

まち

まち

 

おすすめ ★★★★★

【内容紹介】

尾瀬ヶ原が広がる群馬県利根郡片品村で歩荷をしていた祖父に育てられた江藤瞬一。高校卒業とともに上京し、引越の日雇いバイトをしながら荒川沿いのアパートに住んで四年になる。かつて故郷で宿屋を営んでいた両親は小学三年生のときに火事で亡くなった。二人の死は、自分のせいではないかという思いがずっと消えずにいる。近頃は仕事終わりにバイト仲間と他愛のない話をしたり、お隣の母子に頼まれて虫退治をしたり、町の人々に馴染みつつあった。そんなある日、突然祖父が東京にやって来ると言い…。じいちゃんが、父が、母が、身をもって教えてくれたこと。

【感想】

わたし、この話とっても好きだぁ(*´꒳`*)

小学三年生の時に両親を同時に失くす瞬一。歩荷の仕事をしながら瞬一を育てる祖父。高校卒業後、祖父から「外を見なさい」と後押しされ、上京。引越しの日雇いバイトをしながら、江戸川区平井のアパートでのんびりほのぼのと暮らす。近隣の人たちやバイト仲間と次第に深く交流をしていく。

お隣住民の母子に虫退治(Gや蛾や蜘蛛や...)をお願いされる事がきっかけで、この母子に瞬一が深く関わっていくのだけど...わたしも虫は苦手。退治してくれる人がいるのって心強い。。なぜか蜘蛛だけは昔から殺す事ができない。しっかり仕事をする瞬一....殺...そっと、逃がして欲しかった..。と、話は逸れましたが、、都会で暮らして五年目...瞬一の祖父が突然上京。。バスタ新宿...じいちゃんがバスから降りてきた瞬間、込み上げるものがあり、涙腺崩壊(←ただ降りただけなのに、止まらない)。。二人でそばを食べ、アパートに帰宅し、次の日、アパート周辺を散歩して過ごす時間...何があるわけでもないのに、この温かい時間にじわじわ涙が溢れて、ずっと止まらない。心がポカポカしてくるの。。

瞬一の祖父の言葉「人は大事にな」( ˘̥̥̥̥̥ ᵕ ˘̥̥̥̥̥ )ジーン

住む町は変わっても、、人との繋がりは変わらない。毎日同じように暮らしていても、人からの影響は、知らず知らず自分を大きく成長させてもらえる。自分もまだまだ成長期だぁ。。

 

舞台は江戸川区平井。わたしも平井周辺は何度か訪れた事があり、高校...図書館...郵便局...街並みが思い出される。流れる荒川も江戸川も見慣れた風景。。「旧中川」や「新中川」という名称にじいちゃん「東京っぽいな」瞬一「ぽいね」という会話に...っぽいな感覚がなかったので新鮮でした。

あと小野寺さんの本は2冊目なのですが、、読んでると節約しないとなぁと思えてくる。。主人公がいつも細々節約してるから笑。

読後爽やか〜(*´∇`*)今度、荒川の河川敷を自転車で走ろう!と思いました。