みみの無趣味な故に・・・

読書、時々映画、絵画鑑賞の感想を書いてます。

『FLY,DADDY,FLY』 金城 一紀

 

フライ,ダディ,フライ (角川文庫)

フライ,ダディ,フライ (角川文庫)

  • 作者:金城 一紀
  • 発売日: 2009/04/25
  • メディア: 文庫
 

おすすめ ★★★☆☆

【内容紹介】

鈴木一、47歳。いたって平凡なサラリーマン。ただし家族を守るためならスーパーマンになれるはずだった。そう信じていた。あの日が訪れるまでは―。一人娘を不良高校生に傷つけられ、刃物を手に復讐に向かった先で鈴木さんが出会ったのは―ザ・ゾンビーズの面々だった!脆くも崩れてしまった世界の中ではたして鈴木さんは大切なものを取り戻せるのか。ひと夏の冒険譚がいま始まりを告げる。

【感想】

会社までいつもの電車に揺られ、働き、いつもの電車で帰り、毎晩十時十分発のバスに乗り、スタメンたち(乗車客)に無言の挨拶を交わし、帰宅する平凡サラリーマン・鈴木一さん。妻と娘を愛し、娘の幸せを何よりも大切にする父。そんないつもの夜に平和な幸せを覆す出来事が起きてしまう。不良高校生に暴力を受けた娘。病院のベッドで変わり果てた姿の娘が助けを求め、手を差し伸べたが、握ることができなかった父。心を閉ざしてしまった娘。加害者はボクシングのインターハイチャンピオン。包丁を持ち出し、復讐の為に学校に向かう父、失敗に終わるが、そこで出会った男子高校生たちと娘の復讐のための猛特訓を始める。。見事復讐を遂げ、娘の心を取り戻すことができるのか?


痛ましい事件に腹立たしい加害者側の態度。闘争心を燃やし、相手を叩きのめす事を一心に体と精神を鍛える鈴木さんを応援したくなるのだけど..うーーん..ざわざわとした気持ちが過ぎる。。鈴木さんの本当に大切なものってなんだったのか?気づいて欲しい。

娘の心に光をあててくれる男子高校生たちの懸命さに胸が打たれる。特訓中、十時十分発のバスに乗らず、競争する鈴木さん。勝った瞬間が一番好きなシーン٩(๑>∀<๑)و,,いつもの日常が違う日常に塗り替えられていくのって、ちょっと楽しいよね。

理不尽な世の中に立ち向かう父と男子高校生たちの真夏の冒険譚でした。。