みみの無趣味な故に・・・

読書、時々映画、絵画鑑賞の感想を書いてます。

『最後の証人』 柚月 裕子

 

最後の証人 (宝島社文庫)

最後の証人 (宝島社文庫)

  • 作者:柚月 裕子
  • 発売日: 2011/06/04
  • メディア: 文庫
 

おすすめ ★★★★☆

【内容紹介】

元検察官の佐方貞人は刑事事件専門の敏腕弁護士。犯罪の背後にある動機を重視し、罪をまっとうに裁かせることが、彼の弁護スタンスだ。そんな彼の許に舞い込んだのは、状況証拠、物的証拠とも被告人有罪を示す殺人事件の弁護だった。果たして佐方は、無実を主張する依頼人を救えるのか。感動を呼ぶ圧倒的人間ドラマとトリッキーなミステリー的興趣が、見事に融合した傑作法廷サスペンス。

【感想】

プロローグ、とあるホテルの一室でディナーナイフを持つ女と今にも殺されそうな男。。悠然とした笑みを浮かべながら、女はつぶやく。「あの子の復讐よ」

ホテルの一室で起きた殺人事件の法廷劇。。7年前にある夫婦の身に起こる悲しい事故の復讐劇が絡み合うようだが...。

ネタバレ含みます。読んでない人はご注意。

息子を事故で失った高瀬夫妻。目撃者の証言は無視をされ、理由なく不起訴にされる。屈辱と絶望のまま息子の7回忌。。息子の無念を晴らすため復讐を決意した妻の一言。「私、自分を殺します」(胸が揺さぶられた。悲しみが溢れてくる)。。妻の決意、復讐実行までの夫の葛藤、苦悩、悲しみ、全ての心情を思うと...やるせない。。佐方弁護士が守る被告人は...七年前に不起訴となった事故の加害者だった(このトリックは衝撃)強い絆で結ばれた夫婦の計画をどう暴くのか?被告人の七年前の罪は裁かれるのか?公判最終日まで動きのない佐方弁護士。。ある証人を待つ。。そして最後の証人。。佐方さんの最終弁論と...この流れは鳥肌が立つほどかっこいい。

事務員・小坂さんの真っ直ぐさもいい。。検察側の有能検事・庄司真生も好きだなぁ。少女時代に父が無差別殺人で失い、加害者の大学生は精神を病んだ心神喪失という理由で不起訴に。。なぜ人を殺しておきながら、罪が裁かれないの?理不尽さの怒りから検事になり、罪人を裁く立場に。

罪の裏側に潜む真実。。法を犯すのは人間。法より人間を見ろ。どんな罪も正当に裁かれなければいけないけど...不条理な事が世の中には起きてしまう。法が裁かないのなら、自らが裁く。復讐の先には幸せがあるのだろうか?どうか..高瀬夫妻が救われるような未来にしてほしいと切に願うのでした。

脇役達にも惹かれる佐方貞人シリーズ。。次も楽しみ🎶