みみの無趣味な故に・・・

読書、時々映画、絵画鑑賞の感想を書いてます。

『ダイナー』 平山 夢明

 

ダイナー (ポプラ文庫)

ダイナー (ポプラ文庫)

  • 作者:平山夢明
  • 発売日: 2019/03/29
  • メディア: Kindle版
 

おすすめ ★★★★☆

【内容紹介】

ひょんなことから、プロの殺し屋が集う会員制ダイナーでウェイトレスをする羽目になったオオバカナコ。
そこを訪れる客は、みな心に深いトラウマを抱えていた。一筋縄ではいかない凶悪な客ばかりを相手に、 カナコは生き延びることができるのか? 次々と現れる奇妙な殺し屋たち、命がけの恋──。

人の「狂気」「恐怖」を描いて当代随一の平山夢明が放つ、長編ノワール小説。

【感想】

平山夢明さんの雑誌インタビューを読むたびにしばしば興味を抱いていました。抱いていたけど、本を手に取る事までの勇気がなく、おかしな発想力や着眼点、可愛らしい笑顔に惹かれているだけで留まっていました。ついに、美味しそうなハンバーガーにも惹かれ、手に取ったのが...数年前。。温め温め、ようやく読んだ。

冒頭の暴力シーンに驚愕し、読む気力を一気に失わせる「狂気」。。期待通り、いや期待以上である。。どうにか乗り越えたら、美味しいお料理が待っていた。。しかし贅沢な高級ハンバーガーの添え物は常に暴力。。残酷とくだらなさのトッピング。ウェイトレスとして働くオオバカナコの果てしない地獄のサバイバル。。だって気に入らなくて殺す奴もいれば、気に入って殺す奴もいる。。お客様は皆怪物。。生き抜きしてたら瞬殺されそう。。恐怖の極限状態でハンバーガーに喰らい付くカナコ。。常に最後の晩餐状態。。とても恐ろしくとても魅惑的で、どんなお味か?想像を掻き立てられる。。来店する凶悪な殺し屋たちのトラウマも心抉られるほど壮絶。。圧倒される暴力描写から悲しみが滲み出る。。なぜこれほどまでに悲しい人間を作り出すのだろう。。破茶滅茶な殺し屋たちの真っ直ぐな生き様に迂闊にも心打たれてしまった。。

凄まじい暴力の数々に一気に読む事はできず、時間をかけて読んだけど、一気に駆け抜けた気持ちになった。。暴力もお料理も人間も、そしてユーモアに対する作者の筆力に圧倒されっぱなしでした。面白い表現力に感嘆しちゃう。。強烈な平山ワールドに吸い込まれました。生命力が上がったような気がする笑。