みみの無趣味な故に・・・

読書感想、本にまつわるアレコレ話。時々映画、絵画鑑賞の感想も書いてます。

『ジョジョ・ラビット』

映画『ジョジョ・ラビット』公式サイト

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おすすめ ★★★★★

【内容紹介】

10歳のジョジョは、青少年集団ヒトラーユーゲントの合宿参加する朝、空想上の友達”アドルフに、弱音を吐いてしまう。アドルフから「お前はひ弱で人気もない。だが、ナチスへの忠誠心はピカイチだ」と励まされる。
クレンツェンドルフ大尉や、教官のミス・ラームらの指導によるハードな戦闘訓練が始まる。ウサギを殺せと命令されたジョジョは、殺すことができず、〈ジョジョ・ラビット〉という不名誉なあだ名をつけられる。帰宅したジョジョは隠し扉を発見。恐る恐る開くと、中にはユダヤ人の少女・エルサが匿われていた。最大の敵が同じ屋根の下に! 

 

【感想】

10歳の少年の視点から描かれる第二次世界大戦。登場人物から戦争の悲劇がとてもストレートに心に投げかけてくる。

ナチス信者・ジョジョのヒトラーへの信奉と不信に揺れ動く葛藤から洗脳の根深さを考えさせられる。。戦争を夢見る子供を見守る母・ロージーの大きな愛、揺るぎない芯の強さ。凛とした母の素晴らしさから子育ての本質に気づかされる。エルサの理不尽さへの怒り、不安、緊張からユダヤ人の悲しみが伝わる。。クレンツェンドルフ大尉の優しさからはナチスの良心が見え、殺伐した中に光をもたらす。。最も悪として存在するジョジョの空想の友達・アドルフ。ジョジョにとってはヒーローであり、指針となる存在。心の誘導からナチス信者の思考が見える。。とにかく怖い。

ただ、、ジョジョが可愛い。心優しいジョジョには癒される。。ジョジョの親友・ヨーキーとの幼い友情が愛くるしく微笑ましい。。戦争を目の当たりにしたジョジョ。脳裏に描いていた戦争とは全く違うものだったろうなぁ。。心痛。。同世代の我が子にも重なり、序盤から涙が止まらなかった。

『ゴーストワールド』『真珠の耳飾りの少女』からファンだった母親役のスカーレットヨハンソンが魅力的!大満足。。大尉役のサム・ロックウェルも良かった。

月並みですが、、戦争の悲劇は繰り返してはいけないとただただ思います。