みみの無趣味な故に・・・

読書感想、本にまつわるアレコレ話。時々映画、絵画鑑賞の感想も書いてます。

『最後の息子』 吉田 修一

 

最後の息子 (文春文庫)

最後の息子 (文春文庫)

  • 作者:吉田 修一
  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 2002/08/02
  • メディア: 文庫
 

おすすめ ★★★☆☆

【内容紹介】

新宿でオカマの「閻魔」ちゃんと同棲して、時々はガールフレンドとも会いながら、気楽なモラトリアムの日々を過ごす「ぼく」のビデオ日記に残された映像とは…。第84回文学界新人賞を受賞した表題作の他に、長崎の高校水泳部員たちを爽やかに描いた「Water」、「破片」も収録。

 

【感想】

『春、バーニーズで』(←感想はコチラ)を読んで、「最後の息子」(表題作)の続編と知り、再読しました。随分前に読んだので、内容覚えてない^_^;

過去の自分の感想(→『最後の息子』)「最後の息子」の印象はあまり変わらなかったけど、大切な時間がそこには確実にあったんだって思う。デビュー作「Water」が昔とは違って、苦しみを感じた。

 

「Water」高校の水泳部。最後の記録会を目指す生徒たちの爽やかな青春物語。キャプテン・凌雲の兄が半年前にバイク事故で亡くなり、母親の気がおかしくなっていく様子が、辛い。その姿に苦しむ家族にも。。水泳部キャプテンで大会新記録を出し、優勝をした自慢の兄・雄大。強く誇らしい兄を追い越したい凌雲と崩壊していく母。。母の目には映らなくても最高記録を破る、人生最高になるかもしれない瞬間にかける凌雲の青春に以前読んだ時とは違う輝きを感じたよ。