おすすめ ★★★★☆
【内容紹介】
誰一人として、勝利くんを罰しようとしなかった。その結果、彼はあそこまで追い詰められたんです―中沢の言葉を反芻しながら、風見鶏のマスターは、自分がかれんの兄であることを花村家に告げに行く。由里子さん、若菜ちゃんもそれぞれのつらい経験を乗り越えようと、一歩ずつ足を前に進める。あのとき以来、時間がとまったままの勝利だったが、急遽オーストラリアから帰国することになり…。
【感想】
前回に続き、今作も言葉が刺さる。。刺さる刺さる刺さる‼︎
マスターの「赦し」との葛藤、真摯に向き合おうとする姿には心痛む。犯した過ちに憔悴しきってる勝利に腹いせのような追い討ちをかけたくないのは彼のためではなく、自分のため。「そんな人間になりたくなかった。自分がこうありたいというちゃちな美意識を優先しただけ」。。心張り裂けそうだ。。
静かにゆっくりと前に進む由里子が希望に胸が締めつけられる時の感情「遥か遠くにあってまだ手の届かない幸せを夢想する時のせつなさは、ほとんど区別さえつかないほど、哀しみという感情によく似ている」温かいはずの夢や希望を見ることすらまだ哀しみに包まれてること。。心の傷が癒えるのは時間だけではないことを強く叩きつけられた。。
それぞれが辛い経験を乗り越えていく中、、最後に残った勝利。。勝利とかれんには未来を一緒に歩いてほしいし、そうあると願ってます。
それにしても...勝利帰国...ちと強引だなぁ笑。