みみの無趣味な故に・・・

読書感想、本にまつわるアレコレ話。時々映画、絵画鑑賞の感想も書いてます。

『エロスでよみとく万葉集 えろまん』大塚 ひかり

 

エロスでよみとく万葉集 えろまん

エロスでよみとく万葉集 えろまん

 

おすすめ ★★★★☆

【内容紹介】

古代日本には、今とは違うさまざまなエロい風俗習慣があった。その習慣は、現代人から見るとエロさに驚くようなものもあるが、実は日本文学の底流に潜み、今も私たちの生活や感覚につながっているものも少なくない。『万葉集』はその貴重な資料の宝庫でもある。ナンパ、BL、人妻…『万葉集』がこんなにエロ面白かったなんて!

【感想】

2019年は新元号「令和」の時代!と歴史が大きく変わった年。新天皇陛下の御即位のお祝いの儀も華やかに行われ、新しい時代の幕開けにふさわしい!?一冊。。新元号「令和」の参考文献『万葉集』。。なんとも大胆な和歌の表現も恋愛模様も男女の自由奔放さに驚き‼︎

男が女の名を問うこと。実名を明かすのは呪詛に悪用されるので名を秘していた。実名を告げるのは肌を許すことと同じ。身を捧げるか呪われるか。怖いな。雄略天皇(精力絶倫..平安のナンパ師..困った人)が女の名を聞くナンパ和歌。名を告げた瞬間、身も心も支配されて良いという時代。名前の重みを感じられる。

女性たちの短歌は下着を履かずに恋人を待つ歌ばかり。あの織姫まで!笑。。一年に一度だけしか会えないし、時間もないのだろうから仕方ないか。

織姫の唄【天漢 相向立而 吾恋之 君来益奈利 紐解設奈】(天の川に向き合って立ち、私が恋し続けたあの方が来る。下着の紐を解いて待っていよう)これから七夕の日に、この歌が頭に浮かぶ。

不倫は文化です!の平安時代。。人の物を欲しがりたがり。人妻大人気。なんなら俺の妻にも言い寄れ〜って。なんというユルさ。

男の妄想もかなり...おバカさん?笑。微笑えまれただけで「俺の嫁」。恋に溺れてすぐ「死ぬ死ぬ言う男たち」(←これ多発。厄介)

嫉妬に狂う女の見せる知性。激しい嫉妬心を歌に込め、そんな自分に更に傷つき、自分を癒す歌を書く。。書くことでセルフカウンセリングかぁ。日記効果かな。

数々の恋歌はTwitterのつぶやきのようなもの?人は溢れる感情を発信したくなるのかもしれない。性愛の表現が、日本の四季折々や美しい自然、衣食住などに例えられ、内容は過激で少々下品でも愉快で陽気な平安男女たちが送り合うラブレターは素直で大らかで健気で、そして平和も感じられる。平和な令和時代でありますように。。

これが万葉集かぁと読んだ気になってはダメだけど、万葉集の桃色な一面が面白かった❣️