みみの無趣味な故に・・・

読書感想、本にまつわるアレコレ話。時々映画、絵画鑑賞の感想も書いてます。

『蜜蜂と遠雷』鑑賞

映画『蜜蜂と遠雷』公式サイト

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おすすめ ★★★★☆

 

【感想】

2016年マイベスト1だった『蜜蜂と遠雷』を3年ぶりに再読。。スピンオフ『祝祭と予感』読了。(感想はコチラ→『祝祭と予感』 恩田 陸 - みみの無趣味な故に・・・)胸の高鳴りを抑えることもできないまま、映画鑑賞してきました!ややネタバレしてます。

 

天才少女・栄伝亜夜を演じた松岡茉優ちゃん。。師である母を幼い頃に亡くし、音楽を閉じ込めてしまった少女が、、コンクールに出場し、天才たち(実は..みんな亜夜に影響された人たち)に徐々に影響されていくも葛藤し続け、復活を遂げるまで。。儚げな感じや、心ここにあらず感が良かったなぁ。。

 

塵くんと亜夜の連弾シーン。
月明かりの中で共鳴するふたりの演奏に突き抜けた喜びが走った。。拍手を捧げて、、このまま終わってもいいわ!と立ち上がり帰りそうになった。。このシーンだけでも満足。。
本選。。マサルは優雅でかっこいい。塵くんの嬉々として弾ける存在感に圧倒。。亜夜の演奏シーンはわたしまで激しい緊張感で手が震え、体が熱くなる。。素晴らしい。。素晴らし過ぎて、心が絶句する。。
エンドロール。。緊張したまま見つめていると...原作 恩田陸「蜜蜂と遠雷」という文字が3Dのように浮かび上がったように見え、、ダムの決壊のように涙が溢れて、体の毛穴からも水分が溢れて、、寒くなって鳥肌が立ち、、ちょっと風邪ひきそうだーーと肩を震わせて、泣いてしまった。。熱くなったり、寒くなったり、どうかしてしまうほど、最後の本選の3人の名演技と原作の感動が重なり、今もまだ、余韻に浸り、、音楽が満ち満ち溢れてます。。映画は映画として楽しめた。。映画のおかげで原作を再読できたこと。改めて原作が素晴らしいことに喜びを感じる。。名場面を読み返し、ピアノ全集を聴いてます。。

ここから、ややネタバレしてます。

ただ...ひとつだけ。。残念なのが、お気に入りの海のシーン。。亜夜とマサルと塵くんの3人でよかった。原作で奏ちゃん(亜夜の復活を誰よりも信じ続けた友達)が亜夜たちの写真をこっそり撮る所が好きだったんだけど、、映画では奏ちゃんが登場しないの。。奏ちゃんに投影しながら読んでいたので、登場してほしかった。。そこがものすごく残念で悔やまれる。。せめていないのならば、、海のシーンは3人でいてほしかったなぁ。。ブルゾちえみの存在(高島明石の取材をする雅美役)が...受け入れられなかった唯一のシーンでした。。(唯一ではないよ。。でもここだけはいてほしくなかった)