みみの無趣味な故に・・・

読書感想、本にまつわるアレコレ話。時々映画、絵画鑑賞の感想も書いてます。

『猫と針』 恩田 陸

 

猫と針 (新潮文庫)

猫と針 (新潮文庫)

 

おすすめ ★★★☆☆

【感想】

恩田さんの初めての戯曲。
少人数の密室劇。喪服を着た男女が、その場にいない人の話をするというお話。面白そう。
映画研究会の同窓生5人の軽い会話。。暗転。。ねこ?。。芝居っぽいシーン。。暗転。。雑談は続く。学園祭で起きた不可解な事件を振り返る。ぎこちない空気が流れ沈黙が続く。恩田ワールド的疑心暗鬼が始まる。。暗転。。ドキュメンタリー風ファンタジーが幕を降りる。。

 

長めのあとがきには恩田さんの「猫と針創作日記」が綴られてました。日記を読みながら、再読。。2回目の方が面白い(そういえば針は?)。。小説とは違う苦労と公演初日の緊張感が伝わる日記。。恩田さんの創作スケジュールの多忙さに圧倒。。戯曲を書きながら、取材で海外に行き、鼻血を出しながら、同時に短篇も書き上げ、、2時間仮眠を繰り返す日々。。命を削り生み出す作品の数々を思うと鳥肌が立つ。。あとがきにいちばん感動しちゃったけど、、独特な魅力を放つ恩田ワールド...大好き💕