みみの無趣味な故に・・・

読書感想、本にまつわるアレコレ話。時々映画、絵画鑑賞の感想も書いてます。

『すみれ屋敷の罪人』 降田 天

 

すみれ屋敷の罪人 (『このミス』大賞シリーズ)

すみれ屋敷の罪人 (『このミス』大賞シリーズ)

 

おすすめ ★★★★☆

【内容紹介】

戦前の名家・旧紫峰邸の敷地内から発見された白骨死体。かつての女中や使用人たちが語る、屋敷の主人と三姉妹たちの華やかな生活と、忍び寄る軍靴の響き、突然起きた不穏な事件。二転三転する証言と嘘、やがて戦時下に埋もれた真実が明らかになっていく―。注目の女性コンビ作家が「回想の殺人」を描く、傑作ミステリー。 

【感想】

第一部の「証言」では証言者が語る紫峰家へのそれぞれの視点が面白かった。煌びやかで優雅な紫峰家への憧れや嫉妬から記憶の曖昧さと都合の良さを見せる女中。。紫峰家への忠誠心と思いが強く、感傷的で、何かを隠してる使用人。。子供の素直な直感で洋館の大人たちの不可思議な行動に違和感を持つ料理人の娘など。。最後の家具職人はある人物に焦点を当てて語るが、人物の感性に一番興味をそそられる。。それぞれの回想シーンで色鮮やかに浮かび上がる屋敷の暮らしと紫峰家の美しい三姉妹の個性、確執、秘密...修羅場化していく。。そして、顔に傷がある女中のヒナの存在。。彼女がこの謎にどう絡んでいくのか?

第二部の「告白」いきなり驚きの事実が明かされ、引き込まれた。。その後の真相は悲しき破滅への道...切なかった。。

 

降田天さんって女性コンビ作家のようです。岡嶋二人みたい。。ちょっと注目してみよう。。