みみの無趣味な故に・・・

読書感想、本にまつわるアレコレ話。時々映画、絵画鑑賞の感想も書いてます。

『妻が椎茸だったころ』中島京子

 

妻が椎茸だったころ (講談社文庫)

妻が椎茸だったころ (講談社文庫)

 

おすすめ ★★★★☆

【内容紹介】

亡き妻のレシピ帖に「私は椎茸だった」という謎のメモを見つけた泰平は、料理教室へ。不在という存在をユーモラスに綴る表題作のほか、叔母の家に突如あらわれ、家族のように振る舞う男が語る「ハクビシンを飼う」など。日常の片隅に起こる「ちょっと怖くて愛おしい」五つの「偏愛」短編集。

 

【感想】
独特で不思議な五つの偏愛短編集。

妻が椎茸だったころ...?と興味を持ち、手に取った本。

 

「リズ・イェセンスカのゆるされざる新鮮な出会い」

オレゴンの田舎町。。嵐で立ち往生していた日本人女性が知り合った老婦人の家で一晩お世話になる。。彼女は5人の夫とのゆるされざる愛を語る...。

(衝撃度は一番。ラストが怖いよ。英語力は低い方が幸せ?笑)

 

ラフレシアナ」

知り合いから二週間、食虫植物のお世話を頼まれた女性。。帰宅後の知り合いに異変が...。

(食虫植物の育て方を調べてみた。。見た目が奇抜)

 

「妻が椎茸だったころ」

突然先立たれた妻のレシピ帖。そこには料理のレシピと日記が記されていた。「私は椎茸だった」というメモを見つけ、妻が通う料理教室へ...。

(妻の意外な一面を知る夫の変わりゆく姿が、、可愛らしい。干し椎茸に奮闘しながら、妻の秘密に近づきたい夫がコミカルだけど、、しみじみしちゃう)


「蔵篠猿宿パラサイト」

女2人旅。旅行先で石に取り憑かれた男と出会う...。

(男に魅了されていく女性とそれをドン引きしながら付き合う女性。。笑える)


ハクビシンを飼う」

人嫌いだった亡き叔母の家に、家族のような付き合いをしていたと言う男性が現れる。。知られざる叔母の話を聞くうちに...。

(白昼夢のような不思議なお話。。過疎の村では起こりそう。。狐や狸...ハクビシンに騙された感じ)


人の奇妙な執着心に知らず知らずに自分も染まっていく感覚...ゾクッと感じられ、じっとりした梅雨時に、ちょうど良い面白さでした。。