みみの無趣味な故に・・・

読書感想、本にまつわるアレコレ話。時々映画、絵画鑑賞の感想も書いてます。

『罪と罰を読まない』 岸本 佐和子 三浦 しをん 吉田 篤弘 吉田 浩美

 

おすすめ ★★★★★

【内容紹介】

抱腹必至。読まずに語り、読んで語る読書会

翻訳家、作家、作家であり装丁家の四人が名著『罪と罰』の内容を僅かな手がかりから推理、その後みっちり読んで朗らかに語り合う。

 

【感想】

めちゃくちゃ面白かった。。📖🎶🎶
ドストエフスキー(ドストと四人は独自のアダ名を付けてます)の名作『罪と罰』を読んでいない四人の作家さんたちが少ない情報から内容を推察していく「読まない」読書会。
作家さんたちの視点が面白い。。冒頭1ページを読み、主人公の人物描写から、物語の展開を予想していく。。素晴らしい想像力。。どんどん人物像が作り上げられていく。。各章の気になるページを少しだけ読み、僅かなヒントで登場人物の心理状態や関係性から物語を創造していく。。作家さんたちの考察が深い。。特にしをんさんが面白かった。。さすが妄想力が長けてます。。あくまでも想像の物語なので、『罪と罰』の内容とは異なる。。妄想ストーリーを考えた四人は最後に『罪と罰』を読むのです。。そこからの検証も面白かった。。まず『罪と罰』は相当面白いそうです。。登場人物はみんな変。。苦悩フェチで中二病な主人公・ラスコーリニコフ(ラスコ)、松岡修造的暑苦しさのラズミーヒン(馬)、気弱→教祖→聖母へ変貌するソーニャ、妻に鞭打ちされ、まんざらでもないソーニャ父・マルメラードフ(マメ父、マゾのマ)など。。謎めいた男・スヴィドリガイロフ(スベ)は女性陣たちの心を惹きつけたようで、かなり盛り上がってた。。唯一男性の吉田篤弘さんが作家目線ならではのドスト小説の素晴らしさを物語ってます。。

本を読まなくても「読む」ことができるのは教養と知識がある作家さんの作品を深く読み取る力と名作が成せること。。『罪と罰』を読みたくなる錯覚が起きる。。1000ページ( ; ⊙ω;⊙;)。。名前が覚えられない自信がある(「アダ名を付けて読む」は今後参考にしていきたい)。。人気者スヴィドリガイロフの幻想的な場面は読んでみたい。。「読書会」面白かったぁ。。😊📖🎶