みみの無趣味な故に・・・

読書感想、本にまつわるアレコレ話。時々映画、絵画鑑賞の感想も書いてます。

『老後の資金がありません』垣谷美雨

 

老後の資金がありません (中公文庫)

老後の資金がありません (中公文庫)

 

おすすめ ★★★★☆

 

【感想】

後藤篤子50歳。夫54歳。娘28歳。息子22歳。子供の教育費が終わり、老後に蓄えていた貯金1200万と退職金で悠々自適な暮らしを夢見てた。。ところが、娘の派手婚、舅のお葬式、墓代、姑への仕送りで資金がどんどん減って行く。。貯金は300万円に。。見栄張り夫とは意見が合わずイライラ。。その上、夫婦でリストラにあってしまい、退職金もなし。。再就職の道は厳しい状況。。お舅さんのお葬式やお姑さんの今後の生活を話し合う義妹夫婦とのやりとりが生々しい。。親族だからこその難しさ。。長男である夫の見栄と逃げが、、笑っちゃうほど、リアリテイがある。。娘の結婚相手はDV夫?かも?娘の事を思うと、お金お金お金💦と負の連鎖に陥り、心配が尽きない。。習い事で知り合ったお友達、節約家・サヤカとセレブの主婦・美乃留に不安や劣等感が募っていく。。今までなかった感情が込み上げ、心まで貧乏にと嘆く。。後々、幸せそうな篤子の周辺の人々にも忍び寄る生活破綻という陰が彼女たちを追い込む。。垣谷さん。。心のざわつかせが天下一品だわ...と感心しちゃう。。

後半は優雅なお姑さんの生き生きする姿に老後も悪いもんじゃない?と思わせられるけど。。年金詐欺の片棒の真似はしたくない。。寿命が縮む。。笑

 

相談しにくいお金事情。。自分だけの苦しみではない。。人の価値観は違うけど、見栄を張ってしまう部分は少なからずあるのだろうから、、大切なお金を人に惑わされないようにする為には予備知識は大切だと思う。。お金ももちろんだけど、、友達はほんっとに大事だと思いました。。お金があっても孤独は辛い。。まだまだ老後資金まで考えられないと思ってたけど、、平穏な暮らしと、、たまに友達と遊べる資金は残したいなぁ。。