みみの無趣味な故に・・・

読書感想、本にまつわるアレコレ話。時々映画、絵画鑑賞の感想も書いてます。

『不連続の世界』 恩田 陸

 

不連続の世界 (幻冬舎文庫)

不連続の世界 (幻冬舎文庫)

 

おすすめ ★★★☆☆

 

【感想】

『月の裏側』に出てくる塚崎多聞のトラベルミステリー。9年ぶりの再読。。内容はほぼ覚えてない。。ということで、新鮮で楽しめました。笑


「木守り男」(神田川

奇妙な夢を見続ける男の口から漏れた「コモリオトコ」この男が現れると日本に災いが起きる。「コモリオトコ」の正体は?

(コモリオトコ、、現れないでほしい💦奇妙な夢は恩田さんの実際に見た夢だそうです)


「悪魔を憐れむ歌」(奈良県花の寺コース)

不思議な魔力のボーカリストセイレン。彼女の「山の音」という歌を聴くと死ぬという噂を耳にする。その噂の真相は?

(山の音。。山鳴り。。山の静まり。。山との共鳴。。山に認められた男。。想像しただけで、恐怖。この話が一番怖かった😱)


「幻影キネマ」(広島県尾道市

故郷で映画の撮影現場を見ると周辺の誰かが死ぬと怯える男。過去の連続不審死との結びつきは?

(帰省した保の不安と恐怖の裏には昔観た映画の赤い犬の存在が。。赤い犬の正体は...。うぅぅ怖い)


砂丘ピクニック」(鳥取砂丘

フランスの科学者の最後の本に砂丘が目の前で消えたという不可解な出来事が記されていた。

(謎の上乗せ。。大きな謎に気を取られ、見過ごしてしまう小さな謎。。鳥取砂丘の美術館に行きたい。)


「夜明けのガスパール」(夜行列車内)

友人3人とお酒を飲みながら、朝まで怪談話するうちに...。

(多聞くんのトーヒコー。不連続な世界への旅。5話の中で異色なお話。今まで淡々と謎解きをしていた多聞くんの秘密が。。)


不思議で奇妙な話を耳にしてしまう多聞くん。。流れに身を任せ、巻き込まれていくうちに、長閑で静かな風景が恐怖で暗転していく。。ホラーな要素もあって、不気味なお話なのに飄々とした多聞くんに語られるとおとぎ話のよう。。

印象をあまり残さない通りすぎるだけの人間。。そばにいても空気のような多聞くんだからこそ、、その土地の穏やかな情景が目に浮かび、心地よく一緒に旅をした気分になっていきます。。(ほんのりホラーですけど)

 

また数年したら、、なんとなく忘れそうなお話なので、、その時も楽しみます。。😌📖🎶