みみの無趣味な故に・・・

読書感想、本にまつわるアレコレ話。時々映画、絵画鑑賞の感想も書いてます。

『乱暴と待機』 本谷 有希子

 

乱暴と待機 (MF文庫ダ・ヴィンチ)

乱暴と待機 (MF文庫ダ・ヴィンチ)

 

おすすめ ★★★☆☆

 

【内容紹介】

二段ベッドが置かれた、陰気な借家に同居する“妹”こと奈々瀬と“兄”英則。奈々瀬は家にこもり「あの日」から笑顔を見せなくなった“兄”を喜ばせるため日々「出し物」のネタを考えながら、英則からこの世で最も残酷な復讐をされる日を待ち続けている。一方、英則はそんな“妹”を屋根裏に潜り込んでは覗く、という行為を繰り返していた。そこへ英則の同僚・番上が訪れ…。


【感想】

複雑な読後感で、、感想も特に出ない。。というのは乱暴過ぎるので、少し感想。。

覗かれる女と覗く男。。意図的に覗かせてる女・奈々瀬。天井裏から奈々瀬を監視する英則。歪んだ一室に訪れる英則の同僚・番上と恋人のあずさ。。独特な雰囲気で異質で、、どの方もずば抜けた性質(英則と奈々瀬の受容と、番上とあずさの攻撃、まさにタイトル通り)を持ち合わせた登場人物。。

想像を絶する受容型な奈々瀬。奈々瀬の行動心理のように相手に委ねながら、自分に都合の良い解釈で決断づけているところは、、極端ではあるが、少なからず、あるかもしれない。。一番理解不能なのは英則。番上のいい加減さもあずさの激昂型も普通に感じられてしまうほど、、英則が意味不明。。

異様な一室で巻き起こる不思議な物語である。。