みみの無趣味な故に・・・

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『人間に向いてない』 黒澤 いづみ

 

 

人間に向いてない

人間に向いてない

 

おすすめ ★★★★★

 

【感想】

突然、息子が虫に変わった。。
原因不明の突如発生した奇病「異形性変異症候群」(虫、犬、魚、植物などに変異)...治療法が見つからないまま、グロテスクに変異してしまった子供に驚愕し、世話の放棄、暴行、殺害に至るケースまで起きてしまう。政府は「異形性変異症候群」は致死傷の病と定め、法的に死亡と認め、死亡届を提出する義務を課す事に。。
美晴の息子も「異形性変異症候群」となり、死亡と確定。。。姿形が変わり、意思の疎通もできず、人権を失う我が子。。大きな芋虫のような息子の姿に嫌悪感が広がるが育てる事を決意。。我が子を愛する事ができるのか。。

 

異形になり果てた子供を人間として向き合う事ができない父親と向き合おうと努力はしながら苦悩をする母親。。そもそも異形になる前から子供を人間として扱ってきただろうか?。。人並みの人生を送らせたい両親の想いに対する子供の想い。。子供の人格否定を無意識にしている親のエゴ。。
「家族の絆、みたいなもの。絶対的な愛情。親なら子どものことを一番に考えているはずだという妄信」
親の立場としても子供の立場としても考えさせられる。。


異形者の独白は、、とても胸が詰まる思いで読みました。。親を恨みながら恨みきれない想い。。手を差し伸べてもらえない子供たちの気持ち。。積年の恨みが感じられる根深い闇。。罪悪感なく殺させる両親への労り。。

 

母親が異形の子供と向き合う姿こそ、、子を持つ親の理想形なのではないだろうか?子供だった頃の自分と親になった自分の考え方の変化は誰でもあり得る。。だけど子供の気持ちを真摯に受け止めてあげる事。。どんな小さなことでも。。それは子供だった頃の自分の願いだったはずと。。わたしはそういう思いで子育てをしてます。

 

非日常と日常が紙一重な世界。。誰が人間に向いてないのか?読み応えのある一冊でした。。