みみの無趣味な故に・・・

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『水銀灯が消えるまで』 東 直子

 

水銀灯が消えるまで (集英社文庫)

水銀灯が消えるまで (集英社文庫)

 


おすすめ ★★★★☆

 

【感想】

歌人でもある東さんの初小説集。初めての作家さん。。とても楽しめました。

 

人生に疲れてしまったわけありの人々がふと足を向ける「コキリコ・ピクニックランド」 寂れた遊園地で出会う不思議な全6話の連作短編集。

 

デビュー作「長崎くんの指」は物置に住む女が長崎くんの指に恋をするお話。物置女も気になるけど、、綺麗な手の持ち主・長崎くんがとっても気になる。最後に「長崎くんの今」で長崎くん再登場。。とても不安定で曖昧でなんとなくな長崎くん。。手が見たい。。

 

突然、家の前で行き倒れていた記憶喪失の女性と暮らすお話「道ばたさん」は楽しかった。不審者との暮らしを楽しむ母に違和感を持つイガイガモヤモヤの中学生・麻美の心の声が可愛い。。「うかうかしていた。うかうか道ばたさんを好きになってしまった」  笑。

 

しんみりしたのが「アマレット

父と母と田舎を嫌う美人のマリアさん。都会暮らしに疲れ、遊園地で勤める。。この話が一番現実的で、切なくて、美しい。


居場所のない決して幸せとは言えない人々が通過する遊園地。。とても怖い内容なのに、ふんわりした言葉の表現と可笑しみのあるユーモアの数々が深刻さを感じさせない。まさにトーヒコー本。。この不思議感、、好きかも。。