みみの無趣味な故に・・・

読書感想、本にまつわるアレコレ話。時々映画、絵画鑑賞の感想も書いてます。

『私の家では何も起こらない』 恩田 陸

 

私の家では何も起こらない (角川文庫)

私の家では何も起こらない (角川文庫)

 

 

おすすめ ★★★★★

【感想】
わたし、こういうの好き。。📖💕2回読みました。

「何も起こらない」嘘です。すごい濃厚な事が巻き起こってます。。

小さな丘にある古い屋敷。この屋敷で巻き起こる過去の惨劇の数々。かつての住民たちの痕跡が屋敷内のあらゆる所に存在している幽霊屋敷。。この屋敷に住む女性作家の元に訪れる幽霊屋敷マニアと名乗る男。。キッチンで殺しあう姉妹。子供たちを主人に食べさせる女。連続殺人鬼の美少年の自殺。。一話一話それぞれが異色でどれもひんやりとした恐怖を感じながら、足を踏み入れたい気持ちに駆られる。。事件ひとつひとつがグロテスクで暴力的なのに、なぜか穏やかで夢の世界に入り込んでしまったような優雅な心地よさ。。

あとがきでカバーデザインの名久井直子さんとの作品解説対談も面白い。外国風の古い洋館のイラストではなく、内側を見せようとありそうな道具類の絵にしたなど。。古典的幽霊屋敷の話題も楽しい。。

怪異は必ず一人の時に起こる。。一人で家にいる時に読んでほしいです。。どこかでカサカサ音が聞こえるかも。。