みみの無趣味な故に・・・

読書感想、本にまつわるアレコレ話。時々映画、絵画鑑賞の感想も書いてます。

『エスカルゴ兄弟』 津原 泰水

 

エスカルゴ兄弟

エスカルゴ兄弟

 

おすすめ ★★★★☆

【感想】

出版社に勤める柳楽尚登は突然、社長から問題を抱えた飲食店に出向される。しかも料理人として。。立ち飲み屋だったお店を本物のエスカルゴが味わえるフランス料理店に変えるという無謀な計画をする店主兼写真家兼ぐるぐる渦巻き愛好家の雨野秋彦。秋彦の妹・梓や看板娘・剛さんと出会い、お店の経営、料理人として、腕を上げていく。エスカルゴ料理の試行錯誤を繰り返しながら、、いつしか尚登の中で、フランス料理店の存在、価値、やり甲斐が高まっていく。。という時に、またも突然出版社に呼び戻される尚登。。編集の道と料理の道のどちらを選ぶのか?

強烈に面白いのが、雨野兄妹。。
尚登が秋彦の本質を語っているくだりがすごく笑えた
「分かると分からないというふうに分かっていないと分かっていることを貴方は分かっていない。。分からず屋だ」笑笑。。とにかく、、分からず屋で個性強過ぎだけど、誰よりも周りのことを想ってる秋彦が好き。。
エスカルゴの修行中に一目惚れした伊勢うどん屋の娘・桜は尚登の実家讃岐うどん屋の宿敵。。このうどん戦争も面白い。。恋の行方も気になるところ。。

初読み作家さんでしたが、軽快な会話と美味しい料理の数々と仲間の大切さを感じられる一冊。。読んでると、、ぐるぐるお腹が空いちゃいます。。🐌