みみの無趣味な故に・・・

読書、時々映画の感想を書いてます。

『対岸の彼女』 角田 光代

 

対岸の彼女 (文春文庫)

対岸の彼女 (文春文庫)

 

 おすすめ ★★★★☆

【感想】

専業主婦・小夜子と女社長・葵。葵の少女時代の親友・ナナコ。立場が違う女性の友情と亀裂の物語。
小夜子の章では育児、家庭、仕事に追われる日常を過ごしていくうちに葵の自由さに憧れ、友情を感じていく一方で価値観の違いから悲しみや落胆が募っていく、、とてもリアルな30代主婦が描かれていて、、懐かしさと心の痛みが同時に湧き上がってくる。。
葵の章では、少女時代に過ごしたナナコとの話。。葵の感情が小夜子と似てる。。無力な幼さがとても怖い。。
分かり合えそうで、なかなか分かり合えない女の友情。濃い時間を過ごせば過ごすほど、心のズレも大きく変わる。少女時代の狭い視野を埋め尽くす友情。30代の様々な環境の違いの中での儚い友情。。どの時代も人との関わりが心の影響を揺るがすものだと、この本を読んで痛感しました。。人に無防備になる瞬間があるなぁ。。そこで心深めたり、傷ついたり、諦めたり。。そういう微妙なズレがあるからこそ、お互い成長していくんだろうなぁと、、働く女性と子育てをする女性の友情のあり方に読後じんわりと温かくなるものを感じました。

スピンオフ『私の灯台』で大人になったあかり(小夜子の娘)の話の中で、ナナコらしき人物が登場するそうです。。読んでみたいなぁ。