おすすめ ★★★☆☆
【内容紹介】
古書店『無窮堂』の若き当主、真志喜とその友人で同じ業界に身を置く瀬名垣。二人は幼い頃から、密かな罪の意識をずっと共有してきた―。瀬名垣の父親は「せどり屋」とよばれる古書界の嫌われ者だったが、その才能を見抜いた真志喜の祖父に目をかけられたことで、幼い二人は兄弟のように育ったのだ。しかし、ある夏の午後起きた事件によって、二人の関係は大きく変っていき…。透明な硝子の文体に包まれた濃密な感情。月光の中で一瞬魅せる、魚の跳躍のようなきらめきを映し出した物語。
【感想】
真志喜と瀬名垣。二人には後ろ暗い共通の過去があり、お互いその過去に囚われながら、どこか共犯めいた関係を続けていく。。山奥に古書を買い付けに行く2人に唐突に訪れた秘密の過去。。少年時代の傷を癒しあい心を寄せ合う友情?愛情?物語で古書店の世界が少しわかる、、不思議な気持ちになるお話でした。。
2人の距離感がもどかしくて、、儚さが滲み出る。。わたしはBL系の本を読んだことがないのですが、、叶わぬ仄かな恋心のフィルターを通した視界はとても美しい世界観が繰り広げられていくのだろうと、、2人の見つめる先を想像しながら、読んだのでした。。2人の見る月夜の魚がどう映るのか。。少し妖しげな世界。。なんとなく夜に読みました。。