みみの無趣味な故に・・・

読書、時々映画の感想を書いてます。

『あなたを奪うの』

 

偏愛小説集 あなたを奪うの。 (河出文庫 く)

偏愛小説集 あなたを奪うの。 (河出文庫 く)

 

 おすすめ ★★★★☆

 

【内容紹介】

絶対にあの人がほしい。何をしても、何が起きても――。注目の女性作家5人が「略奪愛」をテーマに紡いだ書き下ろし恋愛小説集。

 

【感想】

5人の女流作家のアンソロジー。

略奪愛のお話と書いてあるが、、心は奪われる事があっても、略奪愛ではないと思います。。

 

「朧月夜のスーヴェニア」窪美澄
孫の女としての魅力を嘆く祖母。。戦時中に激しく愛し愛された男の事を今も心に焼き付け、、女として生き抜いた思い出話。。
(痴呆症ではない。。新しい事を取り入れないだけ。。頭の中は昔のことでいっぱいだから。。戦時中の過酷な時代の欲望に任せた恋。。確かに熱くなるわ。。)

 

「夏のうらはら」 千早茜
人妻と不倫を楽しむ恭一。。学生時代から気になる絹子と再会。。過去の二人には言えない秘密が...。
(嫌よ嫌よも好きのうち、、な、お話でした)

 

「かわいいごっこ」彩瀬まる
懐かない文鳥を飼う女性が、、うまく行かない恋愛をしながら、文鳥を通して恋愛論や「かわいい」について悩みぶつかる話。。(一番面白かった。。文鳥(メス)が歴代彼氏に懐いていく笑。。女性の、発情、産卵という動物の自然の流れを受け入れられない男性に嫌気をさしたり、「かわいい」に対しての抵抗感やそこにすがりたい気持ちなど、、とても女性の心情が素直に描かれてる。。)

 

「それからのこと」花房観音
夫・平丘との安定した平凡な暮らしに飽き飽きする三千子。平丘の友、大輔の男の欲望に快感を覚える三千子は、平丘と離婚し、大輔と暮らすが...。
(二人の男の欲望を掻き立てる三千子の心の冷静さ。。いや、女はこういう時こそ、冷静なのかもしれない。。)

 

「蛇爪とルチル」宮木あや子
アイドルで綺麗な若い男の子との恋愛話。。
(あまり入って来なかったお話。。)

 

この中で初読作家さんは千早茜(『あとかた』積んでます。楽しみ)、花房観音、宮木あや子。。どの作品もなかなか濃厚でねっとり感がある。。女性は何かを奪われてるし、奪われ慣れてるのかもしれない。。複雑な生き物なのです。。