みみの無趣味な故に・・・

読書感想、本にまつわるアレコレ話。時々映画、絵画鑑賞の感想も書いてます。

『ミーコの宝箱』 森沢 明夫

 

 

ミーコの宝箱 (光文社文庫)

ミーコの宝箱 (光文社文庫)

 

 

 おすすめ ★★★★★

 

【感想】

ミーコの半生。。人と人の刹那な繋がり。。小さな出会いが人生に大きな変化をもたらす。。そんな宝物のようなお話でした。

第1章はミーコ視点。。風俗で働くミーコの常連さんとの会話から、ミーコの今の暮らしと少女時代の祖父母との思い出がわかる。祖母からは「他人様からお礼を言われる、ありがとうの手にしなさい」。祖父から「幸せの秘訣は毎日小さな宝物を見つけること」と手作りの宝箱をプレゼントされる。宝箱の内側のフタには手鏡が付いてある。。その理由はわからないまま、各章に必ず出てくる宝箱。。

 

祖父、友達、保健の先生、彼氏、風俗店社長、チーコ(ミーコの娘)...と各章でミーコを取り巻く人の視点から少女時代〜母親となるミーコの成長が描かれる。どちらかというと不幸な状況が多い。両親に捨てられ、いじめやDVに遭うミーコ。ただ幼い頃から厳しい祖母に育てられ、日々小さな幸せを見つける目を鍛え、芯が強く、常に相手を思いやる優しさを持つ女性に育つ。。そんなミーコとの出会いに救われ、心の浄化、人生の見つめ直し、愛する気持ちを与えてもらう。。まさに「ありがとうの手」。
最終章に行くまでに泣けました。。最終章はただただ心がじんわり温まっていくのでした。

 

このミーコのモデルになっているJellyさん。。カメラマンのお仕事をしてるようでTwitterを見たら、チーコと楽しそうな生活を送ってる。。そして若い。そっか。事実に基づいたフィクションだった。。想像してた人と違かったけど、幸せそうで何より。。