おすすめ ★★★★★
【内容】
大坂天満の寒天問屋の主・和助は、仇討ちで父を亡くした鶴之輔を銀二貫で救う。大火で焼失した天満宮再建のための大金だった。引きとられ松吉と改めた少年は、商人の厳しい躾と生活に耐えていく。料理人嘉平と愛娘真帆ら情深い人々に支えられ、松吉は新たな寒天作りを志すが、またもや大火が町を襲い、真帆は顔半面に火傷を負い姿を消す…。
【感想】
松吉の健気な寒天や人々への想い、番頭さんの厳しさと優しさ、松吉と想いを寄せ合う真帆の一途な愛、、どんな困難にも毅然と立ち向かう和助の商才と器の大きさ。。どこを取っても素晴らしかった。
時代小説は苦手なので、敬遠してたけど、、読んでよかった。
あとがきに著者の取材の取り組み方が書かれていて、資料はもちろん、、実際に寒天を試行錯誤しながら、作り上げていた事(餡から作成)など、、この本へかけた情熱の強さ。、、改めて、丁寧に作り上げた作品と納得しました。
商いの大切な極意が、、ぎっしり詰まった一冊。。最高のお金の使い方だなぁ。。ラスト一行に号泣です。