みみの無趣味な故に・・・

読書感想、本にまつわるアレコレ話。時々映画、絵画鑑賞の感想も書いてます。

『ミーナの行進』 小川 洋子

 

ミーナの行進 (中公文庫)

ミーナの行進 (中公文庫)

 

 おすすめ ★★★★★

 

【内容紹介】

美しくてか弱くて、本を愛したミーナ。あなたとの思い出は、損なわれることがない――懐かしい時代に育まれた、二人の少女と、家族の物語。 

 

ミュンヘンオリンピック開催の年に朋子が芦屋の洋館に住む伯母家族と暮らす物語(朋子の長い家族紹介みたいだったなぁ。。)

飲料水会社を経営する留守がちなドイツ人の伯父、誤植探しを目的に活字の砂漠を旅する伯母、おしゃれ大好き女子力の高いローザおばあさん、スイスの大学に留学をするイケメンの龍一さん、家族の生活の実権を握っているお手伝いの米田さん。偶蹄目カバ科コビトカバ属のポチ子💕(ポチ子の登場がカバ好きのわたしをワクワクさせてくれる。。😍)庭師兼ポチ子のお世話係の小林さん、朋子の一つ下の可憐で美しい少女ミーナ。

喘息で入退院を繰り返すミーナは読書家でマッチ箱収集家。箱の中身はミーナが語る物語で埋め尽くされている。絵柄に命を吹き込むような、物語の数々(幼い頃はこういう遊び方するね)
ミュンヘンの道』📺を観ながら、空想バレーボールで名選手になったり、、毎週水曜日に来る配達人「水曜日の青年」に一途な恋心を抱いたり...。
多感な少女二人が語り合った秘密の時間。家族との温かい優美な日常。。ポチ子との楽しい行進。。
幸せなひとときが濃厚であればあるほど、、いつかは失う悲しみや寂しさ。。「誰も欠けていない」大切な家族写真を想う朋子の気持ち。。しんみり、、切ない。。