みみの無趣味な故に・・・

読書感想、本にまつわるアレコレ話。時々映画、絵画鑑賞の感想も書いてます。

『青の数学2』  王城 夕紀

 

青の数学2: ユークリッド・エクスプローラー (新潮文庫nex)

青の数学2: ユークリッド・エクスプローラー (新潮文庫nex)

 

 おすすめ ★★★★★

【内容紹介】

数式(まほう)は解け、僕の青春が始まる。数学オリンピック出場者との夏合宿を終えた栢山は、自分を見失い始めていた。そんな彼の前に現れた偕成高校オイラー倶楽部・最後の一人、二宮。京香凜の数列がわかったと語る青年は、波乱を呼び寄せる。さらに、ネット上の数学決闘空間「E2」では多くの参加者が集う“アリーナ”の開催が迫っていた。ライバル達を前に栢山は……。数学に全てを賭ける少年少女を描く青春小説、第二弾。

 

【感想】

前作で京香凛に投げられた問い「数学って何?」栢山はその問いの答えを探していくうちに、日常的に問題を解き続けていた数学に苦しめられていく。E2(ネット上で数学の決闘をしあう闘技場)ではダークマターという名を名乗る者が、次々と決闘を申し込み、栢山の周辺の仲間が倒されていき、負けたものがE2の世界から消えていく。決闘をする意味は?数学の存在意義は?

話の途中で時折、父を亡くした少年とある男の会話が挿入される。少年は数学の定理、理論を学び、疑問を問いかける。何かを掴み、前へ進みだす少年。。
その後に繰り広げられる決闘。。さらなる高みに挑戦する姿。。胸が込み上げてくる。
数学に挑む者たちの苦悩、闘志、挫折、挑戦。。とても静かな描写の中なのに、、それぞれの数学への想いが熱く伝わってくる。青春って熱いなぁ。涙しました。