みみの無趣味な故に・・・

読書感想、本にまつわるアレコレ話。時々映画、絵画鑑賞の感想も書いてます。

『小暮写眞館』 宮部 みゆき

 

小暮写眞館(上) (講談社文庫)

小暮写眞館(上) (講談社文庫)

 

 

 

小暮写眞館(下) (講談社文庫)

小暮写眞館(下) (講談社文庫)

 

 おすすめ ★★★★★

 

内容紹介

あなたの写真(ひみつ)、解き明かします。築三十三年、木造二階建て。小暮写眞館は、臨死状態の商店街にひっそりと佇んでいた。都立三雲高校に通う花菱英一は、両親の趣味により、この「写真館」に住むことになる。そして、弟をふくめた家族四人での暮らしが始まった矢先、ひとりの女子高生が持ち込んだ不思議な写真を巡る謎に、英一は関わることになり……。写真に秘められた物語を解き明かす、心温まる現代ミステリー。

 

【感想】

小暮写眞館という古い写真館のある古家。。お店を残したまま住む花菱家。。(小暮さんの幽霊が出ると言われるオマケ付き物件?)

花菱家の長男・英一(通称花ちゃん)に舞い込んでくる不思議な写真たち。。心霊写真?念写?トリック?その写真の謎を花ちゃんが調査する。。ほのぼのするお話。
親友の秀才・店子くん(通称テンコ)、色黒の軽音女子・寺内さん(通称コゲパン)、鉄道マニアくんたち、花菱家に古家を紹介した不動産社長や事務員・垣本さん。。店番してる?小暮さん。。ハートフルな人から、ハートに重りを抱えてる人など、、魅力的な登場人物たちと花菱家への優しい関わり方がとても心温まる。

ほのぼのした展開が続く中、、花菱家の幼い頃に亡くなった風子の話になっていく。。
風子の話がタブー化されていた花菱家のそれぞれの抱える重さ、悲しみ、優しさ、あらゆる感情が後半溢れていく。 遺された家族、、特に末っ子のピカちゃん。。彼の気持ちが痛感。。心の奥底に無意識に追いやってしまった風子との思い出。。心にはっきりと色濃く残された時間。。大切な人との短くても濃厚な瞬間。。
走り出しても、、ずっと覚えていたい事ってあるよね。。と思いました