みみの無趣味な故に・・・

読書感想、本にまつわるアレコレ話。時々映画、絵画鑑賞の感想も書いてます。

『死にぞこないの青』 乙一

 

死にぞこないの青 (幻冬舎文庫)

死にぞこないの青 (幻冬舎文庫)

 

 おすすめ ★★☆☆☆

 

内容(「BOOK」データベースより)

飼育係になりたいがために嘘をついてしまったマサオは、大好きだった羽田先生から嫌われてしまう。先生は、他の誰かが宿題を忘れてきたり授業中騒いでいても、全部マサオのせいにするようになった。クラスメイトまでもがマサオいじめに興じるある日、彼の前に「死にぞこない」の男の子が現れた。ホラー界の俊英が放つ、書き下ろし長編小説。

 

小学5年生になったマサオくん。担任の先生は若い男の先生でサッカーが得意で、生徒からも人気があり、保護者からの評判も高い。
「飼育係になりたい」
そんな気持ちから小さな嘘をしたマサオくん。。先生に嫌われ、事あるごとに叱られるようになり、人としての扱いをされなくなる。そのうち、クラスのみんなの態度が変わっていく。。...
1人の影響力のある人間の悪意が、、集団に浸透していき、、一体感になる。。大きな悪意に飲み込まれる恐怖。。
教室の中における下級階層を知る。。小さな勇気すら、踏み潰される世界。。マサオくんは飼育係ではなくバランス係になってしまった。。クラスのバランスをとる、、生贄。。マサオくんが誰よりも劣っている。。マサオくんは悪い子です。。マサオくんは怒られて当然です。。
いつしかマサオくんの前に時折現れる彼にしか見えない男の子「死にぞこないの青
片耳と頭髪がなく、靴紐の様に縫われる唇。拘束服を着る青い顔をしたアオ。アオが囁く「先生を殺せ」その後の展開は…。

マサオくんの子供らしくない言動、達観した考え方。。子供達のいじめの記憶が抹消されたかのような態度の豹変。。ホラー要素が特にない。。あまり頭に入らなかった物語。。作者があとがきで「書いてしまった。すきなようにやってしまった」と言っていました。
この後に『暗いところで待ち合わせ』と『GOTH』に続くんだと思ったら、、これはこれでいいかも。。