おすすめ ★★★★★
内容紹介
気に入った手袋が見つからなくて、風邪をひくまでやせ我慢を通した22歳の冬以来、“いまだに何かを探している”……(「手袋をさがす」)。凛として自己主張を貫いてきた半生を率直に語り、人々のありふれた人生を優しい眼差しで掬いあげる 名エッセイの数々。突然の死の後も読者を魅了してやまない著者最後のエッセイ集。文字が大きく読みやすく、カバーの絵も美しくなった新装版。解説/太田 光
エッセイを定期的に読むのは向田さんだけ。
何の変哲も無い日常が向田さん視点になると、とても深い事柄に変化する。。執筆活動の話、厳しいご実家の思い出話、お酒のエピソード、手料理、旅行記など、、話題豊富で、、とにかく面白い。。
時の刻み方の話が好きです。
「時計なんか怖くない」
1日で趣味や仕事を能率よくこなすことより、一つのことをゆっくりして、夜まで深く味わうことを好む。
人間は時計を発明してから、能率的にはなったが、同時に「時計の奴隷」になり下がった。
「1日を無駄にしてしまう」絶望は人生の大時計で計ればほんの一秒ほどのこと。。素敵な時間です。
大中小問題も笑えて好き。。
数日、大中小問題に悩む向田さん。。大にすれば残しそう。。小にすれば物足りない。。したり顔で中にするのは嫌だと。。解決策は、、缶ビールを買うことにした。大瓶中瓶小瓶に悩まなくて済む。。。
1ページにも満たない文章で、心を動かしてくれる向田さんのお話がとても好きです。。共感する事(男性の好みが同じ)が多いとうれしくもあり、、クスっと笑えたり、、教訓にしたり、、向田さんの心配をしてみたり。。
「不思議だなと思った小さな違和感を忘れてはいけない」
わたしも、、忘れないようにいつも心がてます。。
あと、、
いたずら電話は大声で「ワン!」と吠えるそうです。。今度やってみよう。。