みみの無趣味な故に・・・

読書感想、本にまつわるアレコレ話。時々映画、絵画鑑賞の感想も書いてます。

『七月の流れる花』  恩田 陸

 

七月に流れる花 (ミステリーランド)

七月に流れる花 (ミステリーランド)

 

 おすすめ ★★★☆☆

 

七月の終業式。。ミチルの背後を追いかけるみどりおとこ。。いつのまにか姿を消したみどりおとこの代わりに、、封筒を手にする。。
「大木ミチル様 あなたは夏流城(かなしろ)での林間学校に参加しなければなりません」

ミチルの参加した林間学校。。。そこで出会う6人の少女たち。。外界から隔離された不思議な共同生活。。「帰宅」の選択権はない。。謎のルール。。穏やかに時が進んでいくうちに、、1人の少女が失踪する。。林間学校の隠された謎は?みどりおとこの正体は?
夏流城。。「あれが、あたしたちの、、淋しいあたしたちの、、お城なの。。」

去年は『蜜蜂と遠雷』(直木賞受賞おめでとうございます)で、、臨場感、高揚感、脳内に響き渡るピアノの音色で、、感動の読後感でした。
その後だったら、、ライト過ぎて、、「うん。。恩田さんらしい不思議なお話でした」、な感想でしたけど、、今、わたしの心の中が不安定なので、、思いの外、、入り込んでしまいました。。
ミチルの、、ついさっきまで変わらない日常(非日常の世界ではあるが、人間は慣れるので)が少女失踪から、、見えていた世界がたちまち変わる。。わかります。。ほんとに些細なきっかけで、、ガラリと風景が変わる。。友達の顔色も変わる。。世界が一転する瞬間。。この本を読んで、、じわじわと不協和音が鳴り響いてます。。

『八月は冷たい城』も読みます。。今度。。
1冊2484円は、、高いなぁ。。