みみの無趣味な故に・・・

読書感想、本にまつわるアレコレ話。時々映画、絵画鑑賞の感想も書いてます。

『裏閻魔3』 中村 ふみ

 

裏閻魔3 (ゴールデン・エレファント賞)

裏閻魔3 (ゴールデン・エレファント賞)

 

 おすすめ ★★★★★

 

【感想】

不老不死となり、江戸から昭和を生きる閻魔と夜叉の物語もついに最終巻。

江戸幕末、新撰組に密偵として送られ、裏切り者として追われる身となる周(あまね)。瀕死状態の周を助けたのは彫り師・宝生梅倖。。鬼込めという禁忌の墨(閻魔天)を掌に刻まれ不老不死の身体になる。梅倖の元で彫り師の修行をし、周から「宝生閻魔」として生きる(この瞬間、めちゃかっこいい💕)
閻魔、、鬼と共生しながら、、人間として生きた男。。弱気な心を持つ反面、鬼に喰われない強い意志を持つ苦悩な男。男女問わず、惚れられるサムライ。。かっこよくてかわいい人。そばにいたら惚れちゃうな。その時代のファッションを着こなす閻魔にも、安心しました。

周に関わる登場人物がとても魅力的。
同じ不老不死の兄弟子・宝生夜叉、、誰よりも寂しがりやで愛されたい人。助けてあげてほしい。死んでほしくない(死なない身体とはいえ、、死にそう)

周を生涯愛し続ける奈津。閻魔を支援し続ける牟田信正と養女・惠子。不老不死の調査をする進駐軍兵士・ロブ。閻魔の飼い猫ちゃん。。などなど。。

2人の不老不死者の生き様に心打たれながら、、女目線で読んだわたしが胸打つのは奈津と惠子。。閻魔への恋心。叶わぬ想い。最終巻では奈津の手紙で閻魔への想いが綴られる。。愛する男の年齢を超え、年老いていく辛さ。。切ない、痛感する。閻魔から姿を消した奈津の秘密。女として生き続け、女として一生を終わりたい。。強く共感。惠子もまた閻魔を愛する一方で奈津と閻魔の幸せを心から願い、奮闘する。。牟田家の総力をあげて、全面的に協力する心強い女性。。


読み慣れない時代物かと思ったら、激動の時代を駆け巡る愛の物語だった。。一気読み。。わたしも駆け抜けた。楽しかった♪