みみの無趣味な故に・・・

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『ちょうちんそで』 江國 香織

 

ちょうちんそで (新潮文庫)

ちょうちんそで (新潮文庫)

 

おすすめ ★★☆

 

内容(「BOOK」データベースより)

いい匂い。あの街の夕方の匂い―。些細なきっかけで、記憶は鮮明に甦る。雛子は「架空の妹」と昔話に興じ、そんな記憶で日常を満たしている。それ以外のすべて―たとえば穿鑿好きの隣人、たとえば息子たち、たとえば「現実の妹」―が心に入り込み、そして心を損なうことを慎重に避けながら。雛子の謎と人々の秘密が重なるとき、浮かぶものとは。心震わす“記憶と愛”の物語。

 

郊外の高齢者向きマンションで一人暮らしをする雛子。50代(若手)。。架空の妹・飴子(音信不通の妹。。妻子持ちと駆け落ち)と過去の記憶を思い耽りながら、常に会話をする。。過去に小人を見た経験あり。。2人の息子の母。。家庭を捨て、男と駆け落ち。最初の夫(長男の父)病死。。2番目の夫(次男の父)健全。。不倫相手自殺。。「男で身を持ち崩す家系」と揶揄。。

物語は、、雛子、マンション住人、2人の息子、イギリスに住む小学三年生の女の子(小人を見た経験あり)の日常を、、それぞれの視点で描かれる。。

しきりに話しかけてくる架空の妹との会話をする無邪気な雛子。。やや冷めた発言をする架空の妹。。2人でいるときの雛子が幼い少女に戻ったように可愛らしい。。孤独なのに、孤独とは感じられない。。ちょくちょく遊びに来る隣人をもてなす雛子と鬱陶しさをストレートに表現する架空の妹。。このやりとりも面白い。。

息子2人の話から、、過去の雛子の生活がわかる。。次男が幼かった時に駆け落ちをした母親への思いは、、長男の方が根深く、、大人になっても許せないでいる。。面会に来ない家族の事を思考から排除するかのように、、架空の妹との暮らしを愉しむ雛子。。次男の訪問に緊張感を走らせながら、、平静を保つ雛子。。

読んでいくうちに、、雛子の苦しみの抱え方が切ない。。どんなに、、幼少の頃の思い出を振り返って楽しんでも、、現実では、妹、子供たちとは向き合えず。。マンションの掲示板に貼られる空き家のリフォームのお知らせ(住人の死を表している)を見るたびに、、死を深く考える。。非現実的に思われる雛子の日常から、、とても厳しい現実を突きつけられ、、ゾワリとする。。

続きがとても気になる終わり方。。もう少し、、雛子を読みたかったなぁ。。
取り戻せないかけがえのないものからの逃避、、高級高齢者向きマンションへの興味(住めないけど)、、小人、、死ぬまでには見てみたい。。と、中々考えさせられる読後でした。。