みみの無趣味な故に・・・

読書感想、本にまつわるアレコレ話。時々映画、絵画鑑賞の感想も書いてます。

『最後の命』 中村 文則

 

 

最後の命 (講談社文庫)

最後の命 (講談社文庫)

 

おすすめ ★★★☆☆

 

【内容紹介】

最後に会ってから七年。ある事件がきっかけで疎遠になっていた幼馴染みの冴木。彼から「お前に会っておきたい」と唐突に連絡が入った。しかしその直後、私の部屋で一人の女が死んでいるのが発見される。疑われる私。部屋から検出される指紋。それは「指名手配中の容疑者」である。冴木のものだと告げられ―。


ホームレスたちに輪姦される女性を助けられなかった中学生だった主人公(私)と親友の冴木。。後に被害者女性が殺された事を知り。 「私」は命の価値、性の衝動への恐怖、不安、罪の意識に思い悩み、死と同化、対面する行為に惹かれ始める。 一方冴木は、性の歪みから、スリルを求め始め、危険な行為を繰り返す。 罪と罰の釣り合い。悪に対して強い憎悪を感じながら、悪を感じない人間になりたがる矛盾性。 冴木の異常性は嫌悪感があるけど、「私」の自己肯定の手段、惰性、傍観が、、、冴木以上に嫌悪感がありました(自己嫌悪に近いのかも)