みみの無趣味な故に・・・

読書感想、本にまつわるアレコレ話。時々映画、絵画鑑賞の感想も書いてます。

『百瀬、こっちを向いて。』  中田  永一

 

百瀬、こっちを向いて。 (祥伝社文庫)

百瀬、こっちを向いて。 (祥伝社文庫)

 

 おすすめ ★☆

 

内容(「BOOK」データベースより)

「人間レベル2」の僕は、教室の中でまるで薄暗い電球のような存在だった。野良猫のような目つきの美少女・百瀬陽が、僕の彼女になるまでは―。しかしその裏には、僕にとって残酷すぎる仕掛けがあった。「こんなに苦しい気持ちは、最初から知らなければよかった…!」恋愛の持つ切なさすべてが込められた、みずみずしい恋愛小説集。

 

わたし、乙一ファンです。別名義作品は読んだ事がありませんでした。ワクワクの中田作品を読んでみました。

百瀬、こっちを向いて。」自称「人間レベル2」の相原くん。人間レベル90以上の憧れの先輩を取り巻く男女間に巻き込まれた人間レベル2。。そこで、恋という感情を知り、悩み、苦しみ、否定する。。

「なみうちぎわ」高校生の時に意識障害となり眠り続け、、大人になり、目を覚ました姫子。。その側で毎日献身的に看病してくれたのは、当時彼女が家庭教師をした小学生の小太郎くん。。これは、、切なかった。。ホロリ(;_;)

「キャベツ畑に彼の声」テープおこしのバイトをしていた久里子。。ミステリー作家の声が憧れの国語教師だった。。これ好き。。💕

「小梅が通る」人間不信になった美少女が化粧でわざと醜い顔にして、、ひっそりと学園生活を送る。同級生に素顔を見られ、妹と嘘をつき、一目惚れされ、姉として奮闘する。。美人ってお得なようで...やっぱりお得な気がする。。

 

恋とは無縁だった主人公達。。恋の芽生え。。ほんわかと懐かしい気持ちにさせられる。。。脇役がいいな。。主人公に後押しをしてくれるお友達。。そのお友達も目立つ事のなく、迷惑かからないように生きていくしかないと思っている子達。それは学生の時に誰もが思う感情で、大人になると自分の居場所を確立して、自信が出てくる。

 

不器用で、自信がなく、隅っこで注目されないように生きてきた人間があったかな気持ちになれる本。

百瀬、こっちを向いて。」の人間レベル90以上の神林先輩と人間レベル2の田辺くんが好きです。

子供だけど、大人に近い年頃の淡い恋心。胸キュン短編集。。お久しぶりです。。