みみの無趣味な故に・・・

読書感想、本にまつわるアレコレ話。時々映画、絵画鑑賞の感想も書いてます。

『ひとかげ』  吉本 ばなな

 

ひとかげ (幻冬舎文庫)

ひとかげ (幻冬舎文庫)

 

おすすめ ★★☆

 

内容(「BOOK」データベースより)

気功師のとかげと、児童専門の心のクリニックで働く私。ある夜、私がとかげに結婚を申し込むと、とかげは「秘密があるの。」と答えた―。語られるとかげの子ども時代の惨劇と、それによってもたらされた深い傷。そして、私もとかげと向き合い、心の闇をさらけ出す。叫びをあげるふたりの魂が希望をつかむまでを描く感動作。

 

作者の若い頃の作品『とかげ』のリメイク。
ばななさんが「若さゆえの極端を好む書き方」が、甘いと感じ、リメイクしたそうです。。。

気功師のとかげ(男の心の中の呼び名)と、児童専門の精神科医(私)の物語。男がとかげに結婚を申し込むが、、とかげにある秘密を告白される、男の過去にも、じつは秘密が、、、と男女の心の闇の深さが繋いでる愛の物語。

『とかげ』も収録されていたので、先に読んだ。。そして、、『ひとかげ』へ。。

『とかげ』のインパクトは大。若さの力ってすごい。。ムダな部分がないが、極端な部分もあり。。過去の話が強烈。

『ひとかげ』は大人になったばななさん作品。。柔らかい文章で強烈だった過去の話が、少し現実味を帯びてる。男のとかげに対する心情がもっと細かく描かれ、穏やかな愛情表現になってる。
現代版『とかげ』でした。

こういうリメイクを読むのは初めて。。。少し、上から目線になってしまう。。。笑