みみの無趣味な故に・・・

読書感想、本にまつわるアレコレ話。時々映画、絵画鑑賞の感想も書いてます。

『リアルワールド』  桐野 夏生

 

リアルワールド (集英社文庫(日本))

リアルワールド (集英社文庫(日本))

 

 おすすめ ★☆

 

内容(「BOOK」データベースより)

高校三年の夏休み、隣家の少年が母親を撲殺して逃走。ホリニンナこと山中十四子は、携帯電話を通して、逃げる少年ミミズとつながる。そしてテラウチ、ユウザン、キラリン、同じ高校にかよう4人の少女たちが、ミミズの逃亡に関わることに。遊び半分ではじまった冒険が、取り返しのつかない結末を迎える。登場人物それぞれの視点から語られる圧倒的にリアルな現実。高校生の心の闇を抉る長編問題作。

 

ホリニンナは偽名を使って自分に取り巻く世間を批判するいたって普通の子、テラウチは4人の中で頭が良く個性的で、ユウザンは性同一障害で悩む、キラリンは可愛く男の子にモテキャラ。それぞれが母親殺しの少年ミミズの逃亡劇に関わり、思いがけない結末に向かってしまう。

最近はSNSの普及で、こんなことした。こんなことされた。殺す。殺されるかも。と、子供達のネットの中のやりとりを目にすると驚く。殺人をした人とつながる事も昔より身近になってしまう事もある世の中になってきたのかもしれない。そこで自分は果してどんな行動をするか?無視するか、助けるか、深く付き合ってみるか、正義感にかられるか。。どれも相手次第で起こりうる事なのかもしれない。『リアルワールド』というタイトルにも頷ける。