みみの無趣味な故に・・・

読書感想、本にまつわるアレコレ話。時々映画、絵画鑑賞の感想も書いてます。

『真夜中のマーチ』  奥田 英朗

 

真夜中のマーチ (集英社文庫)

真夜中のマーチ (集英社文庫)

 

 おすすめ ★☆☆

 

内容(「BOOK」データベースより)

自称青年実業家のヨコケンこと横山健司は、仕込んだパーティーで三田総一郎と出会う。財閥の御曹司かと思いきや、単なる商社のダメ社員だったミタゾウとヨコケンは、わけありの現金強奪をもくろむが、謎の美女クロチェに邪魔されてしまう。それぞれの思惑を抱えて手を組んだ3人は、美術詐欺のアガリ、10億円をターゲットに完全犯罪を目指す!が…!?

 

奥田さんのどうしようもない人達のどうしようもないドタバタ話、好きです。パーティー屋でヤクザな商売をしているヨコケンと大手の三田物産に勤務するただの三田君・ミタゾウと絶世の美女でわがまま娘のクロチェ。この3人のやり取りが面白い。ヨコケンの危なげだが自由な生き方も羨ましいし、ミタゾウのダメダメ社員だけど集中力と記憶力が物凄く良い能力は欲しい。今欲しい。一番欲しいのはなんといってもクロチェの美貌。みんなとっても有効に生きていけそうなのにそれぞれがダメって所も最高に面白い。10億円を手にすることができるかどうか。手に汗を全く握らない強奪劇。たまにはこんなのもいいね。