ネグレクト―育児放棄 真奈ちゃんはなぜ死んだか (小学館文庫)
- 作者: 杉山春
- 出版社/メーカー: 小学館
- 発売日: 2007/08
- メディア: 文庫
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内容(「BOOK」データベースより)
ネグレクト(neglect)育児放棄。子供に食事を満足に与えなかったり、病気やけがを放置したり、長期間入浴させないなど保護者としての責任を放棄する行為。二〇〇〇年十二月一〇日、愛知県名古屋市近郊のベッドタウンで、三歳になったばかりの女の子が段ボールの中に入れられたまま、ほとんど食事も与えられずにミイラのような状態で亡くなった。両親はともに二一歳の夫婦だった。なぜ両親は女の子を死に至らしめたのか、女の子はなぜ救い出されなかったのか。三年半を超える取材を通じてその深層に迫った事件ルポルタージュ。第十一回小学館ノンフィクション大賞受賞作。
虐待のニュースが絶えない世の中。身体的暴力、精神的暴力、性的暴力の他に、育児放棄(ネクレクト)という虐待がある。この本は育児放棄の想像を遥かに超えた一冊である。今にも死にそうな我が子を見ても無関心で鈍感である両親。この二人にはとても違和感を感じる。周囲の人達の声がまるで届いていないのはなぜだろう?保健所も病院も祖母も気にかけてはいるが、救い出すことはできなかった。これも一つの大きな課題だと思う。もう少し強引に介入しても良かったのではないだろうか?後半は二人の子供の頃、更に二人の親の子供の頃まで話は遡っていく。そこにも驚かされる。繰り返される虐待。ぜひこれから親になる人達に読んでもらいたい。