おすすめ ★★★★☆
内容(「BOOK」データベースより)
「お前ら、いつか結婚するぜ」そんな未来を予言されたのは小学生のころ。それきり僕は彼女と眼を合わせることができなくなった。しかし、やりたいことが見つからず、高校を出ても迷走するばかりの僕にとって、彼女を思う時間だけが灯火になった…“未来予報”。ちょっとした金を盗むため、旅館の壁に穴を開けて手を入れた男は、とんでもないものを掴んでしまう“手を握る泥棒の物語”。他2篇を収録した、短編の名手・乙一の傑作集。
すごく想像力豊かな多才な作者に感動。切なくかなしい物語。最初の「未来予報」の読後の温かさはすぐに次の話にいけないほどだった。最後の「失はれた物語」はとても衝撃を受けた。この究極の恐怖を投げ出された私はしばらく動揺するばかり。心の中の一番弱い部分を無理やり開けられたような気分になる本であった。