みみの無趣味な故に・・・

読書感想、本にまつわるアレコレ話。時々映画、絵画鑑賞の感想も書いてます。

『OUT』 桐野 夏生

 

 

OUT 上 (講談社文庫 き 32-3)

OUT 上 (講談社文庫 き 32-3)

 

 

 

OUT 下 (講談社文庫 き 32-4)

OUT 下 (講談社文庫 き 32-4)

 

 おすすめ ★☆

 

内容紹介

ごく普通の主婦であった彼女たちがなぜ仲間の夫の死体をバラバラにしたのか!?

主婦ら4人の結束は、友情からだけではなく、負の力によるものだった。その結びつきは容易に解け、バランスを欠いていく。しかし動き出した歯車は止まることなく、ついに第二の死体解体を請け負うはめになる。彼女たちはこの現実にどう折り合いをつけるのか。

 

ごく平凡な主婦4人が死体解体を請け負う。4人の結束はすぐにほころびが出るのは目に見える。ただのパートでの知り合い程度。死体解体という現実離れした共同作業をしながら、日常を暮らしていく精神力を保つのは到底無理である。彼女達に待ち受ける運命に明るい兆しは無い。それでもこの生活から抜け出せない彼女達はとても寂しい人達だと思う。

描写は気持ち悪いので、この手の話が苦手な人は読まない方が良い。私も気持ち悪くなった。しかし主婦の闇、興味深い話ではあった。