- 作者: 東野圭吾
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 2002/05/25
- メディア: 文庫
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おすすめ ★★★★☆
内容(「BOOK」データベースより)
1973年、大阪の廃墟ビルで一人の質屋が殺された。容疑者は次々に浮かぶが、結局、事件は迷宮入りする。被害者の息子・桐原亮司と、「容疑者」の娘・西本雪穂―暗い眼をした少年と、並外れて美しい少女は、その後、全く別々の道を歩んで行く。二人の周囲に見え隠れする、幾つもの恐るべき犯罪。だが、何も「証拠」はない。そして十九年…。息詰まる精緻な構成と、叙事詩的スケール。心を失った人間の悲劇を描く、傑作ミステリー長篇。
長いけど、続きが気になり気が急いてしまう。読後、達成感なのか、衝撃なのか、よくわからない余韻がずっと続いてしまった。救われない気分であったのは確か。亮司と雪穂が関わる事はないのに、周囲で謎の犯罪が起きる。追い続ける刑事がなかなか追いつかない。そのまま大人になっていく二人。ラストに一番最初の事件の真相につながる。亮司と雪穂の捻じれた愛に心苦しくなったのはこの刑事だけではない。私も苦しい。とても面白いが、とても怖い作品。