みみの無趣味な故に・・・

読書感想、本にまつわるアレコレ話。時々映画、絵画鑑賞の感想も書いてます。

『ゼロの焦点』  松本 清張

ゼロの焦点 (新潮文庫)

ゼロの焦点 (新潮文庫)

おすすめ度 ★★★★☆

 

内容(「BOOK」データベースより)

前任地での仕事の引継ぎに行って来るといったまま新婚一週間で失踪した夫、鵜原憲一のゆくえを求めて北陸の灰色の空の下を尋ね歩く禎子。ようやく手がかりを掴んだ時、“自殺”として処理されていた夫の姓は曾根であった!夫の陰の生活がわかるにつれ関係者がつぎつぎに殺されてゆく。

 

時代背景や人物の描き方、飽きさせない謎、完璧で文句ないです。鵜原憲一を追っていく関係者が次々に殺される連続殺人に警察や探偵ではなく、結婚まもない妻が明らかにしていきます。夫の前歴を全く知らない妻が失踪してから夫の別の一面を知り、そこに関わる色々な人たちの過去から最後に真実が見えてくる時は「すごい」の一言です。