みみの無趣味な故に・・・

読書感想、本にまつわるアレコレ話。時々映画、絵画鑑賞の感想も書いてます。

『たかが世界の終わり』

 

 おすすめ ★★★★★

 

鑑賞後、、どう自分の心の置き場を持っていっていいのかわからず、、とりあえず、映画館の隣にあるカフェに入った。。鼓動が止まらない。。すごかった。。傷つけ合う家族たち。。わたし、、受け止められない。。途中で、、苦しくて、、手が震えた。。直視できない。。苦しすぎて、、涙も出ない。。

人気作家ルイ。。「もうすぐ死ぬ」その事を家族に伝えるために、、12年ぶりに帰郷。。
愛する息子のために料理を用意する母マルティーヌ。。兄の記憶がないが憧れを抱く妹シュザンヌ。。弟の才能にコンプレックスを抱く兄アントワーヌ。。家族の不安を感じながら和ませようとする兄嫁カトリーヌ。。心の叫びを伝えることのできないルイ。。
ルイに家族の希望として期待をする母。ルイに明るい家庭を見せたい妹。ルイの告白に怯える兄夫婦。。
緊張の糸が切れ全ての想いが溢れた瞬間。。ここからは、瞬きもできないくらい、、目が離せなかった。。家族の距離感は計るのが難しい。。遠くにあると思うと、、いきなり、グンと近づいたり。。

「理解はできない。でも愛してる。この愛だけは奪えない」

パスタ喉通らない。。くるくるくるくるしてたら、、やっと涙が出た。。何かから解放された感じ。。出しとこう。。チョコ買わないといけないし、、帰ったら、、主婦しないとだし。。

 

 

『ソーシャル・ネットワーク』

 

 

 

 おすすめ ★★★☆☆

 

マーク・ザッカーバーグハーバード大学時代に作り上げた「フェイスブック
製作協力をしたウィンクルヴォス兄弟らと創業者、共同製作者である友人エドゥアルド・サベリンに訴訟を起こされ、、訴訟手続きと同時進行で大学時代の「フェイスブック」立ち上げの回想シーンが展開されていく。。

概要は知っていたので、ストーリーは頭に入りやすい。。ハーバード大学のエリート気質が垣間見れた。。天才マークのやんちゃぶりが映えるわ。。ハーバード大学の学生交流サイトが、、西海岸、ヨーロッパと発展していく頃には、マークの友人であるエドゥアルドの手の及ばないほどとなり、、マークとの友情破綻な出来事が起こる。
マークにとっても、エドゥアルドにとっても、「フェイスブック」はとても大切な存在。。それぞれの考え方は違っても、、目指していた事は同じだった。。ここまで巨大化されたモンスターサイト。。他者がほっとくわけにはいかないね。。

長男の中学時代の担任教師が
「出る杭は打たれる。打たれないくらい突出すればいい。。誰もが認め、、打たれなくなる」

突出した先に、、周りを見回した時、、とても孤独な世界が待ち受けてるような気がする。。
ラストにマークが、、大学時代にフラれた女の子に友達申請を何度もして確認してる姿。。
小さな箱に夢を広げていた彼の、、虚しさが見えて、、妙に悲しい想いになりました。。
最年少で長者番付にランクインしたザッカーバーグくん。。失ったものが大きかったのか、得たものが大きかったのか、、一般庶民には、、わからない。。

友達とコーディングしていた頃、、この時が一番高揚していただろうし、希望もあっただろうし、、この時って、ほんとに楽しいんだよね。。

 

『君の名は。』


「君の名は。」予告

おすすめ ★★☆☆

 

期待値かなり上げていきましたよ。。

ネットでもSNSでも評価が高いこの映画。
娘は前に観て大絶賛。。絶対観て!と。。

 

主人公の三葉。。嫌々ながら伝統を守り続けていく多感な17歳の女の子。宮水神社の巫女も務める。美人さん。。
もうひとりの主人公・瀧。。都心に住む17歳の普通の男の子。バイト先の女子大生の奥寺先輩に憧れる。。イケメンらしい。。
出会ったことのない二人が、、夢の中で?入れ替わる、、とても不思議な出会い。。なぜこんな事が起きるのか不明なまま、、2人は楽しむ(ここ、、スピード感あって良かった。ダラダラされたら、、寝ちゃいそう)。。。そんな中、彗星が地球に近づき、、幻想的なまばゆい光が2人の空を覆う。。。そこで、、入れ替わりの意味を知る。。。

 

三葉の住む町糸守町の伝統。。「組紐」「口かみ酒」「結び」「かたわれ時」

紐と紐が絡み合い、、紡いでいくこと。。
人、時、も同じで、、結び繋がっている。。
体内に取り入れる全ての物が結びに繋がる。。
全ての伝統が鍵となり、、この2人の運命に影響する。。

 

映像と音楽で演出効果絶大な映画でしたね。。背景、風景が写真のようで確かに綺麗。映像美の為に映画館で観るようなもので内容は(普通かな)演出効果のおかげで飽きさせない。

瀧くんを演じる神木隆之介。。三葉が瀧くんになってる時の、演技がめちゃ可愛い。。声を高くするのではなく、地声でまさに女子。。ここは、、かなりキュンキュンしました。

 

「破滅からの建設」とはこういうことなのかな。。スピリチュアルな事って、、肌で感じる事なのか、、目の当たりする事なのか、、よくわからないけど、、幻想的空間にいる瞬間、、神聖な事を信じられる自分の体感なのかも。。。わたしにとって、、大自然はまさにその世界。。足を踏み入れる事への恐怖と願望が入り混じる、、不思議な気持ちに。。。そんな事を鑑賞後、、思いました。。

娘と感想を語り合う。。娘のツボ。。わたしと一緒。。「神木くん、女子力高いね」とか、おばあちゃんの「結び」の語りが感動したと聞き、、うれしい。。

「不謹慎だけど、、破滅や終末って、、幻想的で神秘的に描きたくなるのかな。。目を見張る映像がそう感じさせるんだよね」と。。わたしの感想を述べたら、、娘が「死に際って走馬灯のように頭の中で駆け巡るんでしょ?綺麗なイメージじゃない?」って。。。なるほど。。

 

純愛に関して、、質問したら、、「恋愛とかそんな事より、、行動すると変われる事の方が面白かった」

照れ、、かもしれないけど、、、娘を大きく変えた映画であった事には間違いない。。🎶

『怒り』

 

怒り

怒り

 

 おすすめ ★★★★★

原作がとても良いと、あまり映画は期待していないのですが、、観てよかった。。
わたしの原作の感想はこちら。

 


さて内容を知った上で観ると、序盤から胸がチクリ。身元不詳の男が現れる各地の物寂しい不安定な日常がゆっくりと流される。その中に犯人と思わせる人物たちも穏やかに溶け込んでる。「信」から「疑」になるまでは。主要人物の役者たちの演技がすごく良かった。やり切れなさや溢れ出す感情の暴走が、、わたしの神経に突き刺さり、重さに押しつぶされそうになり、、思わず「疲れた」と口に出てしまうほど、原作以上に感情が揺れ動き、脱力感がありました。パワーがいる映画です。特に森山未來さんの演技に圧倒されました。そして、広瀬すずちゃんが名優さんの中でも負けない存在感でした。

『シン・ゴジラ』

 

ジ・アート・オブ・シン・ゴジラ

ジ・アート・オブ・シン・ゴジラ

 

 おすすめ ★☆

 

 

ゴジラ、、観たことなくても大丈夫らしいので。。。観てみました。

進化前のゴジラの見た目と動きに笑い出しそうになったけど、、何とか堪え、、評判通りの都市破壊っぷりを披露するゴジラに圧倒。。。都心部各地が大変な事に。。(わたしの地域情報はなし)

そこから、、ゴジラ討伐への政治家、専門家の作戦会議(頭脳明晰理系軍団、、早口だった。。)、そして国際会議へ。。
本当の敵はゴジラじゃない?世界的危機に陥らせるのも、人間。。?ゴジラの意味は?と、、、考えながら、、観てたのに、、ゴジラが出てくると、、睡魔に襲われちゃう。。クラシック音響効果

3.11に繋がる内容でもあった。。放射能問題(自然災害でも人為的でもないけど、、それがもたらす身体的被害、風評被害、見えない恐怖)を考えさせられる。

ゴジラがただ破壊を続け、闘いばかりだったら、面白くなかったが、科学の力、、政治ドラマ、、国家間の日本の立場など。。見所満載。

復興という、、大きな目標を立て、、この国なら可能と思える力強いメッセージはあった。希望的破壊と思える。

 

『サラの鍵』

 

サラの鍵 [DVD]

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 おすすめ ★☆

 

【STORY】
夫と娘とパリで暮らすアメリカ人女性記者ジュリアは、45歳で待望の妊娠をはたす。が、夫から受けたのは思いもよらぬ反対だった。そんな人生の岐路に立った彼女は、ある取材で衝撃的な事実に出会う。
夫の祖父母から譲り受けたアパートのかつての住人は、1942年パリのユダヤ人迫害事件で、アウシュビッツに送られたユダヤ人家族だったのだ。さらにその一家の長女、10歳のサラが収容所から逃亡したことを知る。一斉検挙の朝、サラは弟を納戸に隠して鍵をかけた。すぐに戻れると信じて―。
果たしてサラは弟を助けることができたのか?二人は今も生きているのか?

 

主人公はユダヤ迫害の時代を生きるサラと現代パリで記者をするジュリアの二人の女性。

冒頭でサラと弟がベッドの中ではしゃいで遊んでいるシーンがとても楽しそう。その幸せなひとときにユダヤ人検挙で警察が家に押し込んでくる。危険な事態を察知した姉が弟を匿う姿に心が痛む。。弟を納戸に隠し鍵をかけるサラ。助けたつもりだが、両親と自分だけ収容所へ。弟は置き去りに。。。サラは弟を救うために収容所から脱出する。。

記者ジュリアは45歳で待望の妊娠のはずが、夫が反対。。悩みながらもパリでかつて起こったユダヤ迫害事件の取材をする。義父から聞かされたサラの話。義父が子供の頃に引っ越した先がサラの家だった。サラの足跡を辿り。。そして衝撃の事実を目の当たりにする。

ユダヤ人迫害事件の非情で理不尽なこと。歴史的事実である事を考えるととても深刻で重いテーマだった。子供のサラがした行動がサラ自身と関わる人たちへ重くのしかかってくる。

ラスト数分。。。ジュリアの幼子を見つめるジュリアとサラの息子。。。最後の会話。。。泣いちゃったよ。。

『ツォツィ』

 

ツォツィ プレミアム・エディション(2枚組) [DVD]

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 おすすめ ★☆

 

【STORY】

南アフリカヨハネスブルグ。世界で一番危険なスラム。アパルトヘイトの爪跡が今も残る街に生きる一人の少年。本名は誰も知らない。ツォツィ=不良(ギャング・犯罪者を表すスラング)と呼ばれるその少年は仲間とつるんで窃盗やカージャックを繰り返し、怒りと憎しみだけを胸に日々を生き延びていた。名前を捨て、辛い過去を封印し、未来から目をそらし・・・。しかし、ある出逢いによって、ツォツィの人生は大きく変わり始める。奪った車の中にいた生後数ヶ月の赤ん坊。生まれたばかりの小さな命に、ツォツィの封印していた様々な記憶を呼び覚まされていく。やがてツォツィは「生きること」の意味や命の価値に気づき
、希望と償いの道を歩み始める。

 

幼少時代の家庭環境に絶望し、外に飛び出しスラム街で生きる少年ツォツィ。窃盗を繰り返し、生活していく。そんな生き方しかできないツォツィ。ある日盗んだ車の中に生後数ヶ月の赤ちゃんが。。この出会いが彼の人生を大きく変える事に。

とても赤ちゃんを育てる環境ではなく、育て方すらわからないツォツィが彼なりに赤ちゃんを育てようとしている場面は少しだけ微笑ましい(育児シーンは窃盗シーンよりもドキドキハラハラするよ)。。。でも現実問題、育てる事は不可能で、解決方法を見つけようと戸惑い続ける。結果的には窃盗しか思いつかない彼に苦笑いの連発だったのだが、、、赤ちゃんを通して、過去を振り返り、人生のやり直しをしようとするツォツィ。ラスト、彼の更生へのたったひとつの道。

うん。良かった。と思いたい。