みみの無趣味な故に・・・

読書感想、本にまつわるアレコレ話。時々映画、絵画鑑賞の感想も書いてます。

『収容所から来た遺書』 辺見 じゅん

収容所(ラーゲリ)から来た遺書 (文春文庫) 作者:辺見 じゅん 文藝春秋 Amazon おすすめ ★★★★★ 【内容紹介】 敗戦から12年目に遺族が手にした6通の遺書。ソ連軍に捕われ、極寒と飢餓と重労働のシベリア抑留中に死んだ男のその遺書は、彼を欽慕する仲間達の…

『無人島のふたり 120日以上生きなくちゃ日記』 山本 文緒

無人島のふたり―120日以上生きなくちゃ日記― 作者:山本文緒 新潮社 Amazon おすすめ ★★★★★ 【内容紹介】 これを書くことを、お別れの挨拶とさせて下さい。 思いがけない大波にさらわれ、夫とふたりだけで無人島に流されてしまったかのように、ある日突然にが…

『悪と無垢』 一木 けい

悪と無垢 作者:一木 けい KADOKAWA Amazon おすすめ ★★★★☆ 【内容紹介】 「逃げなきゃ。この女のそばにいるのは危険すぎる」新人作家・汐田聖が目にした不倫妻の独白ブログ。ありきたりな内容だったが、そこまで登場する「不倫相手の母親」に感情をかき乱さ…

『ハンチバック』 市川 沙央

ハンチバック (文春e-book) 作者:市川 沙央 文藝春秋 Amazon おすすめ ★★★★☆ 【内容紹介】 第169回芥川賞受賞。 「本を読むたび背骨は曲がり肺を潰し喉に孔を穿ち歩いては頭をぶつけ、私の身体は生きるために壊れてきた」 井沢釈華の背骨は、右肺を押し潰す…

『日の名残り』 カズオ イシグロ

日の名残り (ハヤカワepi文庫) 作者:カズオ・イシグロ,土屋 政雄 早川書房 Amazon おすすめ ★★★★★ 【内容紹介】 品格ある執事の道を追求し続けてきたスティーブンスは、短い旅に出た。美しい田園風景の道すがら様々な思い出がよぎる。長年仕えたダーリントン…

『スワン』 呉 勝浩

スワン (角川文庫) 作者:呉 勝浩 KADOKAWA Amazon おすすめ ★★★★★ 【内容紹介】 ショッピングモール「スワン」で無差別銃撃事件が発生した。死傷者40名に迫る大惨事を生き延びた高校生のいずみは、同じ事件の被害者で同級生の小梢から、保身のために人質を見…

『素数とバレーボール』 平岡 陽明

素数とバレーボール 作者:平岡 陽明 講談社 Amazon おすすめ ★★★☆☆ 【内容紹介】 41歳の誕生日。僕らは青春と再会する。高校卒業から20数年。41歳の誕生日を迎えた朝、高校のバレーボール部の仲間「ガンプ君」からメッセージが届く。「41」という数字の美し…

『おいしいごはんが食べられますように』 高瀬 準子

おいしいごはんが食べられますように 作者:高瀬隼子 講談社 Amazon おすすめ ★★★★☆ 【内容紹介】 「二谷さん、わたしと一緒に、芦川さんにいじわるしませんか」心をざわつかせる、仕事+食べもの+恋愛小説。職場でそこそこうまくやっている二谷と、皆が守りた…

『文身』 岩井 圭也

文身(祥伝社文庫い36-1) (祥伝社文庫 い 36-1) 作者:岩井圭也 祥伝社 Amazon おすすめ ★★★★★ 【内容紹介】 好色で、酒好きで、暴力癖のある作家・須賀庸一。業界での評判はすこぶる悪いが、それでも依頼が絶えなかったのは、その作品がすべて“私小説”だと宣…

『グランドシャトー』 高殿 円

グランドシャトー (文春文庫) 作者:高殿 円 文藝春秋 Amazon おすすめ ★★★★☆ 【内容紹介】 不動のNo.1ホステスには秘密があった。高度経済成長期、名門キャバレーのトップを張る二人のホステスは、勤め人の10倍以上を稼ぎながらなぜ下町の長屋で共に暮したの…

『ベーシックインカムの祈り』 井上 真偽

ベーシックインカムの祈り (集英社文庫) 作者:井上 真偽 集英社 Amazon おすすめ ★★★☆☆ 【内容紹介】 「ふくくんはなおとさんがきらい」。園児の書いた文章を読んだエレナ先生は、その真の意味を分析して……(「言の葉の子ら」)。教授は私に問うた。なぜ、執筆…

『きょうの日はさようなら』 一穂 ミチ

きょうの日はさようなら (集英社オレンジ文庫) 作者:一穂ミチ 集英社 Amazon おすすめ ★★★☆☆ 【内容紹介】 明日子と双子の弟・日々人は、年の近い従姉がいて、彼女と一緒に暮らすことを父から知らされる。夏休みに面倒と思う二人だが、従姉の今日子は、長い…

目黒考二さん、北上次郎さん、藤代三郎さんのお別れの会

明治記念館で行われていた【目黒考二さん、北上次郎さん、藤代三郎さんのお別れの会】に行って来ました。 なんと!東京は5月とは思えない異例の暑さ(30度超え)日傘を突き刺すのではないかと思うほどの強い紫外線。真夏日のような暑さだけど、お天気に恵ま…

『東京藝大 仏さま研究室』 樹原 アンミツ

東京藝大 仏さま研究室 (集英社文庫) 作者:樹原 アンミツ 集英社 Amazon おすすめ ★★★★☆ 【内容紹介】 2浪、3浪は当たり前、時には10浪以上の学生も……パンダと桜で賑わう上野公園に隣接する東京藝術大学。通っている学生も教授も少し変わった人ばかり。そん…

カフェ・バー「十誡」に潜入

銀座の東急プラザ裏手のビルの地下2階...ずっと気になりながらも、地下から醸し出される大人な雰囲気に圧倒され、踏み込むことを躊躇していたカフェ・バー「十誡」に行ってきました。 秘密クラブ?みたいな..ミステリーに登場しそうな..常連さんたちが名推理…

『永遠についての証明』 岩井 圭也

永遠についての証明 (角川文庫) 作者:岩井 圭也 KADOKAWA Amazon おすすめ ★★★★☆ 【内容紹介】 圧倒的「数覚」に恵まれた瞭司の死後、熊沢はその遺書といえる研究ノートを入手するが―― 【感想】 わたしは数学を題材にした小説は好きです。まず数学の話は面白…

『首里の馬』 高山 羽根子

首里の馬(新潮文庫) 作者:高山羽根子 新潮社 Amazon おすすめ ★★★☆☆ 【内容紹介】 問読者(トイヨミ)――それが未名子の仕事だ。沖縄の古びた郷土資料館で資料整理を手伝う傍ら、世界の果ての孤独な業務従事者に向けてオンラインで問題を読み上げる。未名子は…

『プロジェクト・ヘイル・メアリー』アンディ・ウィアー

プロジェクト・ヘイル・メアリー 上 作者:アンディ ウィアー 早川書房 Amazon プロジェクト・ヘイル・メアリー 下 作者:アンディ ウィアー 早川書房 Amazon おすすめ ★★★★☆ 【内容紹介】 未知の物質によって太陽に異常が発生、地球が氷河期に突入しつつある…

本屋大賞2023勝手に大予想

いよいよ明日4月12日に本屋大賞が発表されます。 毎年本屋大賞のノミネート全作品を読んで、ランキング予想をしてますが、毎回書店員さんの過密スケジュールには驚かされます。1月20日にノミネート作品が発表され、2月28日までにすべてを読んで、順…

『月の立つ林で』 青山 美智子

月の立つ林で 作者:青山美智子 ポプラ社 Amazon おすすめ ★★★☆☆ 【内容紹介】 長年勤めた病院を辞めた元看護師、売れないながらも夢を諦めきれない芸人、娘や妻との関係の変化に寂しさを抱える二輪自動車整備士、親から離れて早く自立したいと願う女子高生、…

『宙ごはん』 町田 そのこ

宙ごはん 作者:町田そのこ 小学館 Amazon おすすめ ★★★☆☆ 【内容紹介】 宙には、育ててくれている『ママ』と産んでくれた『お母さん』がいる。厳しいときもあるけれど愛情いっぱいで接してくれるママ・風海と、イラストレーターとして活躍し、大人らしくなさ…

『川のほとりに立つ者は』 寺地 はるな

川のほとりに立つ者は 作者:寺地はるな 双葉社 Amazon おすすめ ★★★★☆ 【内容紹介】 カフェの若き店長・原田清瀬は、ある日、恋人の松木が怪我をして意識が戻らないと病院から連絡を受ける。松木の部屋を訪れた清瀬は、彼が隠していたノートを見つけたことで…

『息が詰まるようなこの場所で』 外山 薫

息が詰まるようなこの場所で【電子特典付き】 作者:外山 薫 KADOKAWA Amazon おすすめ ★★★★☆ 【内容紹介】 タワマンには3種類の人間が住んでいる。資産家とサラリーマン、そして地権者だ――。大手銀行の一般職として働く平田さやかは、念願のタワマンに住みな…

『ラブカは静かに弓を持つ』 安檀 美緒

ラブカは静かに弓を持つ (集英社文芸単行本) 作者:安壇美緒 集英社 Amazon おすすめ ★★★★☆ 【内容紹介】 少年時代、チェロ教室の帰りにある事件に遭遇し、以来、深海の悪夢に苛まれながら生きてきた橘。ある日、上司の塩坪から呼び出され、音楽教室への潜入…

『#真相をお話しします』 結城 真一郎

#真相をお話しします 作者:結城真一郎 新潮社 Amazon おすすめ ★★☆☆☆ 【内容紹介】 家庭教師の派遣サービス業に従事する大学生が、とある家族の異変に気がついて……(「惨者面談」)。不妊に悩む夫婦がようやく授かった我が子。しかしそこへ「あなたの精子提供…

目黒孝ニ(北上次郎)と仲間が作った「本の雑誌」フェア

丸善丸の内本店で1月に亡くなられた書評家の北上次郎さんの企画展が行われていました。 書評家業40年。北川さんが勧めるなら!と思わせる書評。面白い本に対する愛を感じますね。 追悼メッセージから本を愛する気持ちが伝わります。泣けるなぁ。 「丸善の三…

『光のとこにいてね』 一穂 ミチ

光のとこにいてね (文春e-book) 作者:一穂ミチ 文藝春秋 Amazon おすすめ ★★★★☆ 【内容紹介】 古びた団地の片隅で、彼女と出会った。彼女と私は、なにもかもが違った。着るものも食べるものも住む世界も。でもなぜか、彼女が笑うと、私も笑顔になれた。彼女…

『方舟』 夕木 春央

方舟 作者:夕木春央 講談社 Amazon おすすめ ★★★☆☆ 【内容紹介】 9人のうち、死んでもいいのは、ーー死ぬべきなのは誰か?大学時代の友達と従兄と一緒に山奥の地下建築を訪れた柊一は、偶然出会った三人家族とともに地下建築の中で夜を越すことになった。翌…

『しろがねの葉』 千早 茜

しろがねの葉 作者:千早茜 新潮社 Amazon おすすめ ★★★★★ 【内容紹介】 天才山師・喜兵衛に拾われた少女ウメは、銀山の知識と未知の鉱脈のありかを授けられ、女だてらに坑道で働き出す。しかし徳川の支配強化により喜兵衛は生気を失い、ウメは欲望と死の影渦…

『緋の河』 桜木 紫乃

緋の河(新潮文庫) 作者:桜木紫乃 新潮社 Amazon おすすめ ★★★★☆ 【内容紹介】 昭和の釧路に生まれた秀男は、色白小柄で人形のように愛らしく、物心つく頃には姉の真似をして自分を「アチシ」と呼んだ。厳格な父に殴られ、長兄には蔑まれ、周りの子どもに「…