みみの無趣味な故に・・・

読書感想、本にまつわるアレコレ話。時々映画、絵画鑑賞の感想も書いてます。

読書

『かんむり』 彩瀬 まる

かんむり 作者:彩瀬 まる 幻冬舎 Amazon おすすめ ★★★★☆ 【内容紹介】 私たちはどうしようもなく、別々の体を生きている。夫婦...血を分けた子を持ち、同じ墓に入る二人の他人。かつては愛と体を交わし、多くの言葉を重ねたのに、今は...。 【感想】 虎治と…

『忘れられた巨人』 カズオ イシグロ

忘れられた巨人 (ハヤカワepi文庫) 作者:カズオ イシグロ,Kazuo Ishiguro 早川書房 Amazon おすすめ ★★★★★ 【内容紹介】 老夫婦は、遠い地で暮らす息子に会うため、長年暮らした村を後にする。若い戦士、鬼に襲われた少年、老騎士……さまざまな人々に出会いな…

『家庭用安心坑夫』 小砂川 チト

家庭用安心坑夫 作者:小砂川チト 講談社 Amazon おすすめ ★★★☆☆ 【内容紹介】 日本橋三越の柱に、幼いころ実家に貼ったシールがあるのを見つけたところから物語は始まる。狂気と現実世界が互いに浸食し合い、新人らしからぬ圧倒的筆致とスピード感で我々を思…

『明るい夜に出かけて』 佐藤 多佳子

明るい夜に出かけて(新潮文庫) 作者:佐藤多佳子 新潮社 Amazon おすすめ ★★★★☆ 【内容紹介】 富山は、あるトラブルがきっかけで、大学を休学し、実家を離れ、期間限定の自立を始めた。人に言えない葛藤、臆病な自分……。相変わらず人間関係は苦手なまま。深…

『ミシンと金魚』 永井 みみ

ミシンと金魚 (集英社文芸単行本) 作者:永井みみ 集英社 Amazon おすすめ ★★★★★ 【内容紹介】 認知症を患うカケイは、「みっちゃん」たちから介護を受けて暮らしてきた。ある時、病院の帰りに「今までの人生をふり返って、しあわせでしたか?」と、みっちゃん…

『風よあらしよ』 村山 由佳

え 風よ あらしよ (集英社文芸単行本) 作者:村山由佳 集英社 Amazon おすすめ ★★★★☆ 【内容紹介】 明治・大正を駆け抜けた、アナキストで婦人解放運動家の伊藤野枝。生涯で三人の男と〈結婚〉、七人の子を産み、関東大震災後に憲兵隊の甘粕正彦らの手により…

『八月の母』 早見 和真

八月の母 (角川書店単行本) 作者:早見 和真 KADOKAWA Amazon おすすめ ★★★★☆ 【内容紹介】 彼女たちは、蟻地獄の中で、必死にもがいていた。愛媛県伊予市。越智エリカは海に面したこの街から「いつか必ず出ていきたい」と願っていた。しかしその機会が訪れよ…

『その話は今日はやめておきましょう』 井上 荒野

その話は今日はやめておきましょう (毎日文庫) 作者:井上 荒野 毎日新聞出版 Amazon おすすめ ★★★★☆ 【内容紹介】 定年後の日々を、趣味のクロスバイクを楽しみながら穏やかに過ごす昌平とゆり子。ある日、昌平が転倒事故を起こし、一人の青年・一樹が家事手…

『おまじない』 西 加奈子

おまじない (ちくま文庫) 作者:西加奈子 筑摩書房 Amazon おすすめ ★★★★☆ 【内容紹介】 悩んだり傷ついたりしながらも生きていく、すべての人にそっと寄り添うキラメキの8編。 【感想】 悩みを抱える女の子たち。年齢も事情も様々。みんな生きづらくて、みん…

『木曜日にはココアを』 青山 美智子

木曜日にはココアを (宝島社文庫) 作者:青山美智子 宝島社 Amazon おすすめ ★★★★☆ 【内容紹介】 川沿いの桜並木のそばに佇む喫茶店「マーブル・カフェ」。そのカフェで出された一杯のココアから始まる、東京とシドニーをつなぐ12色のストーリー。卵焼きを作…

『向田邦子暮しの愉しみ』 向田 邦子 向田 和子

<とんぼの本>向田邦子 暮しの愉しみ 作者:向田 邦子,向田 和子 新潮社 Amazon おすすめ ★★★★☆ 【内容紹介】 「寺内貫太郎一家」「阿修羅のごとく」「あ・うん」など数々のドラマで知られた人気脚本家、そして直木賞作家の向田邦子。そのライフスタイルには…

『女の人差し指』 向田 邦子

女の人差し指 (文春文庫) 作者:向田 邦子 文藝春秋 Amazon おすすめ ★★★★★ 【内容紹介】 ドラマ脚本家デビューのきっかけを綴った話、妹と営んだ小料理屋「ままや」の開店模様、人間町からアフリカまで各地の旅の思い出、急逝により「週刊文春」連載最後の作…

『床下仙人』 原 宏一

床下仙人 (祥伝社文庫) 作者:原 宏一 祥伝社 Amazon おすすめ ★★★☆☆ 【内容紹介】 「家の中に変な男が棲んでるのよ!」念願のマイホームに入居して早々、妻が訴えた。そんなバカな。仕事、仕事でほとんど家にいないおれにあてつけるとは!そんなある夜、洗面所…

『まぼろしハワイ』 よしもと ばなな

まぼろしハワイ 作者:よしもとばなな 幻冬舎 Amazon おすすめ ★★★★☆ 【内容紹介】 パパが死んで三ヶ月。傷心のオハナは、義理の母でありフラダンサーのあざみとホノルル空港に降り立った。あざみの育ての親マサコの、永遠の踊りに出会い、薄青い空、濃い緑、…

『累犯障害者』 山本 譲司

累犯障害者 (新潮文庫) 作者:譲司, 山本 新潮社 Amazon おすすめ ★★★★★ 【内容紹介】 殺人、売春、放火、監禁、偽装結婚……。彼らはなぜ、罪を重ねなければならなかったのか。障害者の犯罪をめぐる社会の闇に迫る。刑務所や裁判所、そして福祉が抱える問題点…

『スカートのアンソロジー』 朝倉 かすみ他

スカートのアンソロジー (光文社文庫) 作者:朝倉 かすみ,北大路 公子,佐藤 亜紀,佐原 ひかり,高山 羽根子,津原 泰水,中島 京子,藤野 可織,吉川 トリコ 光文社 Amazon おすすめ ★★★☆☆ 【内容紹介】わたしは、わたしの好きな作家たちに、わたしの決めたお題で…

『朱色の化身』 塩田 武士

朱色の化身 作者:塩田武士 講談社 Amazon おすすめ ★★★★☆ 【内容紹介】 「知りたい」――それは罪なのか。昭和・平成・令和を駆け抜ける。80万部突破『罪の声』を超える圧巻のリアリズム小説。「聞きたい、彼女の声を」 「知られてはいけない、あの罪を」ライ…

『雪の練習生』 多和田 葉子

雪の練習生 (新潮文庫) 作者:多和田 葉子 新潮社 Amazon おすすめ ★★★★☆ 【内容紹介】 腰を痛め、サーカスの花形から事務職に転身し、やがて自伝を書き始めた「わたし」。どうしても誰かに見せたくなり、文芸誌編集長のオットセイに読ませるが……。サーカスで…

『老虎残夢』 桃野 雑派

老虎残夢 作者:桃野雑派 講談社 Amazon おすすめ ★★★☆☆ 【内容紹介】 私は愛されていたのだろうか? 問うべき師が息絶えたのは、圧倒的な密室だった。碧い目をした武術の達人梁泰隆。その弟子で、決して癒えぬ傷をもつ蒼紫苑。料理上手な泰隆の養女梁恋華。…

『キャベツ炒めに捧ぐ』井上 荒野

キャベツ炒めに捧ぐ (ハルキ文庫 い 19-1) 作者:井上 荒野 角川春樹事務所 Amazon おすすめ ★★★★☆ 【内容紹介】 「コロッケ」「キャベツ炒め」「豆ごはん」「鯵フライ」「白菜とリンゴとチーズと胡桃のサラダ」「ひじき煮」「茸の混ぜごはん」..東京の私鉄沿…

『化物園』 恒川 光太郎

化物園 作者:恒川光太郎 中央公論新社 Amazon おすすめ ★★★★☆ 【内容紹介】 スリルに憑かれ空き巣を繰り返す羽矢子。だが侵入した家の猫に引っかかれ、逃げた先で奇妙な老人に出会い……「猫どろぼう猫」自尊心が高く現実に向き合えない王司。金目的で父の死を…

『くるまの娘』 宇佐見 りん

くるまの娘 作者:宇佐見りん 河出書房新社 Amazon おすすめ ★★★★★ 【内容紹介】 17歳のかんこたち一家は、久しぶりの車中泊の旅をする。思い出の景色が、家族のままならなさの根源にあるものを引きずりだす。 【感想】 家族から「かんこ」と呼ばれているかな…

『家族じまい』桜木 紫乃

家族じまい 作者:桜木 紫乃 集英社 Amazon おすすめ ★★★★☆ 【内容紹介】 「ママがね、ボケちゃったみたいなんだよ」突然かかってきた、妹からの電話。両親の老いに直面して戸惑う姉妹と、それぞれの家族。認知症の母と、かつて横暴だった父……。別れの手前に…

『ほかに誰がいる』 朝倉 かすみ

ほかに誰がいる (幻冬舎文庫) 作者:朝倉 かすみ 幻冬舎 Amazon おすすめ ★★★☆☆ 【内容紹介】 「十六歳だった。あのひとに出会うまで十六年もかかってしまったという気持ちは、後悔に少し似ている―」。本城えりが電車の窓越しに、賀集玲子の姿を見初めたのは…

『私の頭が正常であったなら』 山白 朝子

私の頭が正常であったなら (角川文庫) 作者:山白 朝子 KADOKAWA Amazon おすすめ ★★★★★ 【内容紹介】 私の哀しみはどこへゆけばいいのだろう。切なさの名手が紡ぐ喪失の物語。最近部屋で、おかしなものを見るようになった夫婦。妻は彼らの視界に入り込むそれ…

『献灯使』多和田 葉子

献灯使 (講談社文庫) 作者:多和田 葉子 講談社 Amazon おすすめ ★★★★☆ 【内容紹介】 大災厄に見舞われ、外来語も自動車もインターネットもなくなり鎖国状態の日本。老人は百歳を過ぎても健康だが子どもは学校に通う体力もない。義郎は身体が弱い曾孫の無名が…

『ダブルバインド』 城山 真一

ダブルバインド 作者:城山 真一 双葉社 Amazon おすすめ ★★★☆☆ 【内容紹介】 金沢東部署刑事課長の比留は公私ともにがんじがらめの大ピンチ。妻を病気で亡くし、娘は高校を不登校。強盗犯を取り逃がして人事で左遷も確定していたが、管内の駐在所員が撲殺さ…

『さよならに反する現象』 乙一

さよならに反する現象 (角川書店単行本) 作者:乙 一 KADOKAWA Amazon おすすめ ★★★☆☆ 【内容紹介】 哀しみの先には、何があるのだろう──。乙一作家生活25周年記念短編集!心霊写真の合成が趣味の僕が撮影をしていると、一人の女性がカメラに映りこんできた。…

『看守の信念』 城山 真一

看守の信念 看守の流儀 作者:城山真一 宝島社 Amazon おすすめ ★★★★★ またもやられた!火石マジック!これは絶対前作を読んでから、読んでほしい。 釈放前の更生プログラムに参加した模範囚が、外出先で姿を消した。発見されるまでの「空白の30分」で何が起…

『じんかん』 今村 翔吾

じんかん 作者:今村翔吾 講談社 Amazon おすすめ ★★★★☆ 【内容紹介】 仕えた主人を殺し、天下の将軍を暗殺し、東大寺の大仏殿を焼き尽くす。民を想い、民を信じ、正義を貫こうとした」青年武将は、なぜ稀代の悪人となったか?時は天正五年(1577年)。ある晩、…