みみの無趣味な故に・・・

読書感想、本にまつわるアレコレ話。時々映画、絵画鑑賞の感想も書いてます。

『大人のための美容本』 神崎 恵

 

大人のための美容本~10年後も自分の顔を好きでいるために

大人のための美容本~10年後も自分の顔を好きでいるために

 

 

先日のオフ会でいただいた本。
料理、健康、ヨガの本は読むけど、、美容本は初めて読みました。40代からの美容情報。

美意識への追求論、メイク技術、高額な化粧品類の紹介、、時にはレーザー、、ゴッドハンドのエステシャンによるボディケア、、サロンでのヘアケア、、将来は糸を入れてリフトアップ計画を立ててる。。はぁ。すごいなぁ(改造人間計画に近いかなぁ。。)

「メガネという美容」は気になった。。
女性らしく見せるメガネ、凛とした印象を持たすメガネなど、、気分とスタイルで使い分けてるそうです。。わたしのような話しかけないでねアピールのネガティブサングラスとは違うなぁ。。目元の疲れ、たるみ、くすみなどのケアも参考にしながら、メガネとはこれからも付き合っていこうと思いました。。👓✨

いつまでも「女」で居続ける並々ならぬ努力?鍛錬?には、、ため息が出てしまう。。ついでにお金も出ていきそうね。。💸

神崎さんって方を知らなかったので、調べてみたら、、42歳の3児の母(わたしとほぼ同じだ)。。ご主人はヘアメイクアーティスト(ここは違うけど、、なるほど。。納得)。。とても美しい女性。。10年後を見てみたい。。

世の女性は、いつまでも綺麗でいたいという気持ちを必ず持ってるけど、、外見を磨くことも大事だし、それ以上に内面を磨く事も大事(←ここ、めちゃ努力じゃなくて、自然体に生きていける事が理想)


色々と勉強になりました。心がけは参考にしたい😊それにしても、女ってお金がかかる生き物だなぁ笑笑。。セルフケアでうまく年を重ねていきたいと思います✨

『ののはな通信』 三浦 しをん

 

ののはな通信

ののはな通信

 

おすすめ ★★★★★

【感想】

雨の音だけが聞こえる車内で、読み終わりました。。衝撃的で、、しばらく呆然。。

ミッション系のお嬢様学校に通う野々原茜と牧田はな。 頭脳明晰なののと天真爛漫なはな。 のののはなへの愛の告白をきっかけに親友から恋人となる。永遠と思っていた秘密の恋も長くは続かず。。

高校時代から20年超の二人の往復書簡で物語が進んでいく。
二人の秘密の手紙。。わたしもハラハラドキドキしながら読む。。少女の頃の心強く行動的なののの側で一喜一憂している無邪気なはな。。大学生になり、勉学に勤しむ冷静なののと恋を謳歌する相変わらず無邪気なはな。。大人になり遠く離れた二人は近況を伝えながら、二人の愛の思い出と目の前で繰り広げられる日常を語り尽くす。。甘え上手でふわふわしたはなの奥底にある激しさと優しさと芯の強さに感動が押し寄せた。。

二人の書き連ねた言葉の数々は、今のわたしには、痛烈に心に突き刺さり、、心臓の高鳴りを抑えるのに、、しばらく時間がかかりそう。。

女性独特の赤裸々な会話と周りが見えなくなる二人の世界観。。全ては打ち明けなくてもわかりあえる友達(恋人かな?)がいるのはうらやましい。。

男、女たちの人生に入るべからず。

『水やりはいつも深夜だけど』 窪 美澄

 

水やりはいつも深夜だけど (角川文庫)

水やりはいつも深夜だけど (角川文庫)

 

おすすめ ★★★★☆


【内容紹介】

セレブママとしてブログを更新しながら、周囲の評価に怯える主婦。仕事が忙しく子育てに参加できず、妻や義理の両親からうとまれる夫。自分の娘の発達障害を疑い、自己嫌悪に陥る主婦。出産を経て変貌した妻に違和感を覚え、若い女に傾いてしまう男。父の再婚により突然やってきた義母に戸惑う、高一女子。同じ幼稚園に子どもを通わせる家々の、もがきながらも前を向いて生きる姿を描いた、魂ゆさぶる5つの物語。

 

「サボテンの咆哮」

仕事が忙しく、子育てにうまく参加できない夫。。妻と義父母から責められ、家庭に居心地の悪さを感じる。家事育児を全てこなした亡き母と仕事人間で言葉少ない父との思い出を振り返る。。息子と一緒に父の元へ訪れる夫。。父の一言に、、胸がしめつけられました。

「かそけきサンカヨウ

父の再婚相手と3歳の女の子と急に家族になる女子高生。。3歳の頃に母と離婚した父との二人暮らし。家事をしながら母の描いたサンカヨウの思い出と記憶が薄い母の面影を思い起こす。昔の家族と新しい家族。。思春期の複雑な心境が、とてもよく描かれていました。


家族のかたちはそれぞれ違うけど、わかってもらえない苦しみ。一人で抱えていく辛さは共感する。。何も変わらない日常だけど、知らぬ間に静々と、荒波に飲まれて行く人たち。。ヒリヒリと胸が痛む。。自分の苦悩の分、誰かも苦しんでる。。家族の何気ない一言や関わりひとつで景色が変わる。。小さな前向きに涙で字が見えなくなりました。デトックス効果があったようで、読後スッキリ。

 

 

 

『受精』 帚木 蓬生

 

受精 (角川文庫)

受精 (角川文庫)

 

おすすめ ★★★☆☆

恋人を交通事故で失った舞子。悲しみは癒される事もなく、かつて二人で訪れた山に登り、そこで出会う僧侶に「恋人は生きている。彼の子供は産みたくないか?」と。。ブラジルのサルヴァドールに旅立つ。最新医療の産婦人科。自然豊かな環境も文化も素晴らしい世界で、同じ境遇の女性たちと気持ちを分かち合い、受診を続ける。穏やかな時を過ごす中、妊婦の遺体を目撃する舞子。遺体は処理をされ、隠蔽されていく。。疑惑が心に広がる中、妊婦の飛び降り自殺が起きる。。彼女が残したメッセージ。。連続不審死に舞子の周囲が密かに調査を始める。。彼女の死が本当に自殺なのか?

 


とても興味深いテーマでありながら、とても読み進めるのに困難な話でした。。最愛の男性を不慮の事故で失ってしまった女性の、愛する人の子供が欲しい気持ちはとても共感を得ます。シングルマザーで育てていく覚悟を考えると、、その覚悟は計り知れないものである以上に、出産のリスクとケアも考えさせられる内容であります。。中盤から巻き起こる不審死へのミステリー要素と進展がとてもじれったく、、思いのほか、退屈さを感じ得る事になる。ブラジルという文化、貧富の差を感じさせない心豊かな生活、医療保険に関する厳しい現実は、とても興味深く、産婦人科の医学以上の大切な繊細な心理的問題をとても実感した内容ではある。ドイツの歴史的背景、ブラジルの移民問題、が本編のテーマと不審死への追求などへの遠回りにしている気になり、、つい、本を閉じてしまい、読み進めない原因に。ラストの衝撃的結末?が人の命の軽さに唖然としてしまい、、人の命の重さと軽さの天秤の秤がわたしに混乱をもたらせ、とても複雑な思いのまま、読了を迎えました。。

『ビロウな話で恐縮です日記』 三浦 しをん

 

『ビロウな話で恐縮です日記』 文庫版

おすすめ 

 

文庫本、やってきました。日記はお友達から借りた単行本(感想は『ビロウな話で恐縮です20180421』参照)で読み終わっているので、、しをんさんの文庫版あとがきとジェーン・スーさんの解説を読みました。。

しをんさんのあとがきに最近の日記(日記続かずメモ書き)が。。笑える〜。
「朝の日課」「欲望百貨店」「三代続いたオタク」「俺!」相変わらず、楽しいしをんさん語録。。
あまりになにもない日々とご本人は言いますが、、なにもない日々に彩りを与えるしをん脳は素晴らしい。。
解説も「暇そう」と言いながら、、しをん脳を悔しがるスーさん。

単行本にメモした付箋を貼り変えて、、わたしもビロウ日記を「朝の日課」にしようかなぁ📖💕

『東京奇譚集』 村上 春樹

東京奇譚集 (新潮文庫)

東京奇譚集 (新潮文庫)

 

 おすすめ 

 


「偶然の旅人」

村上さんのささいな奇跡の話から、、あるゲイの調律師の話に。。モールのカフェで読書をしてると隣で読書をしていた主婦から話しかける。偶然同じ本を読んでいた二人。翌週も隣で同じ本を読む二人は次第に打ち解け...。

 

「ハナレイ・ベイ」

息子がハワイのカウアイ島ハナレイ湾で鮫に右脚を食いちぎられて死んだ。。毎年息子の命日の前に三週間ハナレイの町に滞在する母の話。

 

「どこであれそれが見つかりそうな場所で」

24階に住む義母と26階に住む息子夫婦。日曜の朝、体の不調を訴える義母の様子を見に行く夫がそのまま失踪。。妻からの話を聞き、消えた夫を探す「私」

 

「日々移動する腎臓のかたちをした石」

父親から「男が一生に出会う中で本当に意味を持つ女は三人しかいない。それより多くもないし、少なくもない」と言われた淳平。女性との付き合い方が慎重になる。31歳の時にキリエと出会う。

 

品川猿

安藤みずきは1年前から時々自分の名前を思い出せなくなってしまう。品川区役所の「心の悩み相談室」でカウンセラー坂木さんへ相談。高校時代の名前に関するエピソードを思い出す。

 

【感想】
どの話も何かを「喪失」する話。特に「日々移動する腎臓のかたちをした石」と「品川猿」がお気に入り。ストーリーが淡々と進むうちに、喪失の何もかもをそのまま受け入れていく不思議な感覚に陥っていく。心の奥底に小さな傷ができるのだけど、その傷も癒えるのではなく、自分の内に収めていく感覚をわたしは覚えました。

『私の家では何も起こらない』 恩田 陸

 

私の家では何も起こらない (角川文庫)

私の家では何も起こらない (角川文庫)

 

 

おすすめ ★★★★★

【感想】
わたし、こういうの好き。。📖💕2回読みました。

「何も起こらない」嘘です。すごい濃厚な事が巻き起こってます。。

小さな丘にある古い屋敷。この屋敷で巻き起こる過去の惨劇の数々。かつての住民たちの痕跡が屋敷内のあらゆる所に存在している幽霊屋敷。。この屋敷に住む女性作家の元に訪れる幽霊屋敷マニアと名乗る男。。キッチンで殺しあう姉妹。子供たちを主人に食べさせる女。連続殺人鬼の美少年の自殺。。一話一話それぞれが異色でどれもひんやりとした恐怖を感じながら、足を踏み入れたい気持ちに駆られる。。事件ひとつひとつがグロテスクで暴力的なのに、なぜか穏やかで夢の世界に入り込んでしまったような優雅な心地よさ。。

あとがきでカバーデザインの名久井直子さんとの作品解説対談も面白い。外国風の古い洋館のイラストではなく、内側を見せようとありそうな道具類の絵にしたなど。。古典的幽霊屋敷の話題も楽しい。。

怪異は必ず一人の時に起こる。。一人で家にいる時に読んでほしいです。。どこかでカサカサ音が聞こえるかも。。