みみの無趣味な故に・・・

読書感想、本にまつわるアレコレ話。時々映画、絵画鑑賞の感想も書いてます。

『朱夏』 今野 敏

 

朱夏―警視庁強行犯係・樋口顕 (新潮文庫)

朱夏―警視庁強行犯係・樋口顕 (新潮文庫)

 

 おすすめ ★★☆

 

内容(「BOOK」データベースより)

あの日、妻が消えた。何の手がかりも残さずに。樋口警部補は眠れぬ夜を過ごした。そして、信頼する荻窪署の氏家に助けを求めたのだった。あの日、恵子は見知らぬ男に誘拐され、部屋に監禁された。だが夫は優秀な刑事だ。きっと捜し出してくれるはずだ―。その誠実さで数々の事件を解決してきた刑事。彼を支えてきた妻。二つの視点から、真相を浮かび上がらせる、本格警察小説。

 

警視庁強行犯係・樋口警部補の妻が誘拐される。。夫が探し出してくれると信じて、待つ妻。。犯人との会話をしながら、説得を試みる。。
3日後に大きな仕事を任せられている樋口。。その間に妻を自らで探し出すと決意し、、手がかりの少ない中から地道に捜査をする。。

刑事としての、、夫としての、、義務。責任。使命。愛情。夫婦の信頼感、、子育てのあり方、、大人の存在価値、、人間の歪み、、色々な事を考えさせられらる内容だった。。それにしても、、妻、、強い。。

とある一文をメモ📝
「青春の次には朱夏が来る。。燃えるような夏の時代だ。そして、人は白秋、つまり白い秋を迎え、やがて、玄冬で人生を終える。玄冬とは黒い冬、死のことだ。最も充実するのは夏の時代だ。そして秋には秋の枯れた味わいがある。青春ばかりがもてはやされるのはおかしい」
「へぇ……」(言われた人の返事。。わたしも実感)

わたし、、夏の時代なのかな。。まだ秋になる前に、、夏を楽しもう。。。

『アントキノイノチ』 さだ まさし

 

アントキノイノチ (幻冬舎文庫)

アントキノイノチ (幻冬舎文庫)

 

 おすすめ ★★

 

内容(「BOOK」データベースより)

杏平はある同級生の「悪意」をきっかけに二度、その男を殺しかけ、高校を中退して以来、他人とうまく関われなくなっていた。遺品整理会社の見習いとなった彼の心は、凄惨な現場でも誠実に汗を流す会社の先輩達や同い年の明るいゆきちゃんと過ごすことで、ほぐれてゆく。けれど、ある日ゆきちゃんの壮絶な過去を知り…。「命」の意味を問う感動長篇。

 

永島くん。。高校時代の親友に裏切られ、、心の病に。。遺品整理の会社で働き出す。。。様々な死の痕跡と出会い、、学生時代の忌まわしい過去を乗り越える話。。

心の病、、遺品整理業、、凄まじい現場、、プロの仕事、、生命の重さ。。
「テーマ」がとても興味深いことばかり。。

「生命の重さ」本中でもあったタクシー強盗殺人の被害者。2万円と命を奪われる。妻の心に寄り添いながら、現実の残酷さに悲嘆する。。。生命は値段ではないが、、たったそれだけの金額で命を失う事件や、、裁判の結果、被害者に支払われる損害賠償金など。。。値段で判決されると、、虚しさを感じてしまう。。。命はお金に代え難い財産。。。大切にしてほしいとつくづく思う。。

 

死も過酷だけど、、生も過酷ね。。。
生き死のことについての感想はとても難しい。一つの「死」にも家族や友人の中で壮大なドラマがある。一つの「生」も同じく。。。その事に少しでも触れる事のできる仕事への過酷さと人生の幅を大きくしてくれるかけがえのない経験が、、怖いような、、うらやましいような。。でも実際の現場の壮絶さを考えるととても安易にできる事ではない。。そういうお仕事の人達の存在で助けられる遺族と仏様。。

一昨年から、、読みたいリストに入れていた『遺品整理業』の本。。リストから出さないと。。。

『凍原』 桜木 紫乃

 

凍原 北海道警釧路方面本部刑事第一課・松崎比呂 (小学館文庫)
 

 おすすめ ★☆

内容(「BOOK」データベースより)

一九九二年七月、北海道釧路市内の小学校に通う水谷貢という少年が行方不明になった。湿原の谷地眼(やちまなこ)に落ちたと思われる少年が、帰ってくることはなかった。それから十七年、貢の姉、松崎比呂は刑事として道警釧路方面本部に着任し、湿原で発見された他殺死体の現場に臨場する。被害者の会社員は自身の青い目を隠すため、常にカラーコンタクトをしていた。事件には、樺太から流れ、激動の時代を生き抜いた女の一生が、大きく関係していた。いま最注目の著者唯一の長編ミステリーを完全改稿。

 

キクの樺太、ススキノ、室蘭、釧路での様々な出会いと物哀しい運命。。大切なものを必死に守り通す女の覚悟。。死ぬよりも辛い詫び。。女たちが生き抜くための激動の一生をこの本通して、、ヒリヒリと伝わった。。
桜木さんの本は、3冊めですが、、舞台となる北海道の寒さと厳しさが、、人間ドラマのギリギリ感を際立たせてるね。。

『花の下にて春死なむ』 北森 鴻

 

花の下にて春死なむ (講談社文庫)

花の下にて春死なむ (講談社文庫)

 

 おすすめ ★☆

 

内容(「BOOK」データベースより)

年老いた俳人・片岡草魚が、自分の部屋でひっそりと死んだ。その窓辺に咲いた季節はずれの桜が、さらなる事件の真相を語る表題作をはじめ、気の利いたビアバー「香菜里屋」のマスター・工藤が、謎と人生の悲哀を解き明かす全六編の連作ミステリー。

 

三軒茶屋のビアバー「香菜里屋」のマスター・工藤哲也。。常連客の様々な謎を意外な視点で解き明かす。。

「花の下にて春死なむ」
俳人・片岡草魚が亡くなり、かつての恋人・飯島七緒が残された句帳とあるきっかけから知った草魚の故郷へ行き、知られざる悲しい過去に触れるお話。
【感想】七緒、、強い味方がいて良かった。。マスターはお店で句帳の謎解き、、出過ぎないのがいいね

 

「家族写真」
新聞記事の「メッセージ?ある家族写真の謎」というコラム。この記事で、常連客が謎解きをするお話。
【感想】マスターの辛めのイタズラ?厳しいお人

 

「終の棲み家」
写真家・妻木の個展で、街中に貼られたポスターが全て剥がされてしまった事件が起きる。多摩川に住み着いた老夫婦と交流し撮り続けた妻木。この事件で心痛めた妻木に。。
【感想】心温まる。。マスターの優しさが、、沁みる

 

「殺人者の赤い手」
14年前の子供の死。香菜里屋の近くで起きた殺人事件。小学生の間で流行っている「赤い手の魔人」この繋がりは。。?
【感想】常連客が頭を悩ます事件。。マスター、、あっさり解決。。

 

「七皿は多すぎる」
鮪ばかり七皿食べる男の話。
【感想】面白い。謎解きに夢中のおじさまたち

 

「魚の交わり」
お店に鎌倉から送られた手紙。俳人・片岡草魚の残された句が書かれていた。飯島七緒は、草魚の故郷で知った真実の矛盾と疑惑が湧き、調べる。
【感想】解決って、、時にはする必要もないね

 

【感想まとめ】

悲哀。。人生の背景には、一つや二つ、、悲しい出来事がある。。マスターの優しい謎解きで、、心の小さな棘をそっと抜いてくれる。。いい話だった。。
それに、、料理が美味しそう。。「今日、いいものが入りましてね、、、」そこで出される料理、、食べたい。。

『ゴルゴ13 復刻アンコール版』 さいとう たかを

 

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おすすめ ★☆

 

この漫画、、病院の待合室で読んだ記憶しかなく、結末に至るまでに、、呼ばれてしまい、、最後まで読んだことがない。。

初めて、、最後まで読みました。。容赦ない。。迷いがない。。
たくさん思わせぶりな会話をしてる人が、、あっさり、、ゴルゴさんに撃たれて死んじゃう。。。あらあら😳💦って、、驚く。。

初読みゴルゴ。。ゴルゴを超えるゴルゴ‼︎
楽しみました

『生きていくうえで、かけがえのないこと』 吉村 萬壱

 

生きていくうえで、かけがえのないこと
 

 おすすめ ★☆

 

「眠る」「出す」「休む」……「触れる」「悲しむ」……「嘆く」「老いる」……「ときめく」「忘れる」……「愛する」「耐える」……「待つ」…「壊す」「祈る」など、、25のテーマを書き記したエッセイ。。

読み終えるのに、、時間がかかった💦。。ひとつひとつに感想を書き、、感銘した言葉をメモし、、恥ずかしながら、、わたしもひとつひとつのテーマに考えや思いを書き記してみました。。という事で、、感想文にしては大長編になってしまいました。。関心ある人はどうぞ。それ以外の人は、さらっと、、か、、スルーしてください。

 

「眠る」

眠りとは、どんな人間も大真面目に取り組む。不真面目であったり、邪な考えを抱くはできない。
《感想》休眠。。若い頃は自然と時間の許す限り、、眠りという自然現象に身を委ねた。。子育て時は、、眠れる時に、、寝て、、体力温存の為に体を休める。。今は、、、健康を考え、、眠る事に努めないといけないが、、残り僅かの人生を楽しむために、、夜更かしという危険な行為をしてしまう時もある。。確かに「眠る」というのは誰もが共通して、、真面目に取り組んでる事。。考えもしなかった。。

 

「食べる」

切羽詰まったもののような気がする。まず飢えないこと。美味い不味いの前に飢えない、この前提を忘れた頃、飢えの時代を迎えるに違いない。
《感想》食べる事を楽しめるのは、、最大の幸せだと思う。。明日生きる為にだけ食べる。。というのは、、「食べる」意味の本質なんだろうけど、、一つ一つの食材の味、色、食感、鮮度、、全てを常に楽しめるひととき。。そこに贅沢さが、加味されていそう。。

 

「出す」

負の感情の出口がないと、人間は危ない。。ものを書くことにより、自分を「出す」。。ものを書く時は、どんなに孤独でも孤独すぎることはない。。。
《感想》わたしは、、あまり人に対して「出す」行為はしなかった。。その反動なのか、、日々のなんて事ない、、わたしの日常をSNSで書くことにより「出す」事をしている。。喜怒哀楽、、心の変動を書き出す事により、、危険区域から飛び出す事をしているんだ。。なるほど。。

 

「休む」

日本人は、「何もしない」ということにが不得手なため、休みの日に何もしないのは「勿体無い」と思う傾向がある。でも精神的に大きな喪失感、打ち砕かれた人は回復するまで「休んでください」という言葉にも傷つく。休めず、眠れず、真の無為になる。休むという最も簡単なことが、、人間にとっては限りなく難しい。
《感想》働き過ぎの日本人の休む恐怖ね。。旅行は4日目から本当の休息になると、、聞いたことがある。。1泊2日は休みではない、、「旅行」という仕事をしていることになる。。観光地を巡らず、、ただホテルで堕落した生活をしてみたいが、、やはり貧乏性?見たいし、食べたい、体感したいという欲望に負けてしまう。。。

 

「書く」

文字を書く。。書かずにいられない「ハイパーグラフィア」という病気。。
《感想》文字、、苦手。。人に見せられない。。文字に自信があったら、、日記帳に書いてたかなぁ。。パソコンより、、慎重になるね。。失敗できない。。緊張感。。何事も丁寧に行動する。。それを学べそう。。だけど、、書けない。。

 

「触れる」

手で触れることで、、不快、違和感がある時、、がさつな手になっている。。逆に触れることで、、全てが優しく応えてくれるような時がある。。身体を介して触れ合うことには、、巨大な意味がある。。
《感想》わたしは、、人を触るクセがある。。この癖は相手によっては、不愉快に思われたり、、意識されたり、、仲良くなったり、、と様々な対応をされる。。触られること、、考えてみると、、愛を感じる触れ合いが多い。。怒りの感情で触れられた事が少ない人生。。とても幸せだなぁ。。

 

「悲しむ」

子供の頃に野良犬の仔犬を友達に勇気を誇示したいがばかりに、、高台から投げ捨てた著者。。虐待される動物を悲しむ資格を失った。。
【感動】悲しむためには、、何か自分の中に純粋なものが必要。。人は大なり小なり罪人。。そして悲しみは避けて通れない。。せめて躊躇いなく悲しめるようになりたい。。
《感想》喜びを得るためには悲しみは不可欠な感情。。ただ、、不幸により強制的に陥る背負いきれない悲しみから、、再出発し、、喜びに繋がることへの、、精神的体力的に脅威なパワーが必要だと思う。。恐ろしい。。


「喜ぶ」

動物は「歴史」がなく、、「今、ここ」を生きている。。過去のことを忘却してしまう。。人間は消せない記憶があり、、どこまでも「憂鬱と倦厭(けんえん)」から逃れられない。。過去だけではなく未来の心配をしている。。動物のように、、「今、ここ」を純粋に喜べるようになれるのか。。
【感動】著者の飼っているウサギのうーちゃん。。仰向けに寝かせると、、数秒意識不明になり白目を剥く。。本能的反応。。肉食獣には無駄に抵抗して苦痛を増すより即刻気絶して進んで楽に死んでいこうとする。。捨て身の生き様。。
《感想》悲しみは心乱れる。。喜びは心震える。愛犬を見ていると、、喜び悲しみの表情がわかり、、愛犬の気持ちがわかるわたし自身に、、喜びを感じているわけ。。喜びに満ち満ち溢れる日々を与えてくれる。。一緒に過ごせる日々を大切にしよう。。

 

「嘆く」

罪を犯した我が子に嘆く親。。全力で真っ当な道に引き戻そうとする。。嘆くとは愛なのかもしれない。。
《感想》嘆くのは、、自分自身にもある。。常にある。。自己愛ということになるね。。人を嘆く事、、自分にはないと思ったが、、、子供には嘆くこともある。。大人の悲しい行動に嘆くこともあるが、、真っ当な道に引き戻そうとするのは、、やはり友達くらいかな。。それも、、最近は無くなりつつある。。大人になっていくと、、そのパワーを家族に費やすしかできなくなってきた。。

 

「老いる」

老いの兆候、、怒りっぽくなる、、探し物をする、、人の名前が出てこない、、他人の悪い行為に対して怒りを抑えられない、、人の話を聞かず、、何度も問いかける。。。
《感想》以前、高齢の男性に、道を譲ったら、舌打ちされてしまった。。すでに、、彼の中ではわたしが障害物なのであろう。。ちと落ち込むが、、老いというのは、、止められない脳の発信がある事もあるのだ、と、、そういう原理を考えてみれば、落ち込みも軽くすみそうだ。。。人間は1秒毎に老いてるんだから。。

 

「読む」

著者が本を女性に例え、読んでいることに、、面白みを感じた。。ニーチェの「真理は女である」
《感想》わたしの人生において、、読んだ時間が、冊数、文字などを数字化すると、、、いつか考えてみる。。読む事は、呼吸をするのと同じくらい日常化されている。。(本だけでなく、新聞も雑誌も参考書も手紙も子供たちのプリントもSNSも)、、読書により、話す、書く、出会うことを最近、、体験した。。思わぬご褒美が舞い込み、、人生に少しだけ彩りが出てきた。。。

 

「見る」

網膜から入った光情報のうち、大脳皮質の視覚野に到達するのは3%に過ぎず、あとの97%は脳自身が作り出している(池谷裕二『進化しすぎた脳』より)
世界のありのままを見るのではなく、見たいものだけを見ている。脳の中ではなく、心の目で見てみたい。
《感想》強制的に見たくないものを見てしまったときの忘却作業の速さは、、自分に感心する事がある。。。でも忘れられない物もある。。そこには関心と恐怖が含まれているのであろう。。意外に喜びの記憶は、、薄れているような。。。
自ら足を運んで見るもの(景色、絵画、夜景などなど)大自然を見るという欲望の反面、、見過ぎると恐怖に陥る事がある。。脳で畏怖を感じ、、目を逸らす行為をしてしまう。。とは、、こういう事なのかな。

 

「聴く」

音楽を聴く。。心の余裕さがさせる行為。。被災者は音楽を聴く余裕はない。。何もかも失った街。。無音の世界で体全体を耳にし、、周囲の音を聴きとらなければならないから。。
《感想》音はいつでもどこでも、、生活の中で自然と耳に入ってくるもの。。耳慣れていることなので、、意識をした事がない。。
自然の中の音(風、水、木々の揺れ、動物など)の心地よさもあるが、、恐怖もある。。なのに惹かれ、、聞きに行きたくなる。。都会の喧騒より自然の方がいい、、と実は思っていない。。あんなに怖い音はない。。

 

「ときめく」

著者の弟曰く、、「言い表しようがないこと」「認識的性質」(知識や啓示がとたらす)「暫時性」(長続きしないこと)「受動性」
《感想》ときめき、、、わたしは人よりしてると思う。。単純だから。。

 

「忘れる」

人は自分の中の記憶を加工し、忘れ続け、、覚え続ける。。それが生きていく。。大きな災厄、、人は「忘れません」と口にする、、、死者は「忘れてください」と言っている気が。。。忘れながら、いつまでも覚えている。。それが共に生きていくこと。。
《感想》わたしの中の「忘れる」は、、言葉を忘れる。。物を忘れる。。動作を忘れる。。危機感を伴う。。。でも、、人間はとても都合良くできていることに気づく。。記憶の加工。。10分前の事も、、既に加工されて留められているのだろう。。だからこそ、、生きていける。。これはとても大事な事。。強い痛みほど、、忘却作業をしていく自分の脳の機能性を褒めなくては。。。

 

「働く」

人の役に立つとは、、どういうことか。。「人な役に立ちたい」という希望の裏で人の役に立たなければ存在価値がないという強迫観念。。世の中には、思いがあっても働けない人、、一方的に人の世話にならなければ生きられない人、、そういう人たちに存在価値がないとする社会への悲観。。いずれロボットに取って代わられる労働。。仕事が見つからず後ろめたい人の方が未来を先取りしている。。
《感想》存在価値を求める人間性。。自分が存在をしている事を、、誰かに知っていてもらいたい。。。そこに孤独からの脱却を求めているのだろうと。。永遠のテーマになるだろうな。。働きと存在価値。。。

 

「癒える」

社会に出るための電車。。降りてみることで、、何の作用も受けず、時間とともに自らの性質により静まり癒えていく可能性があるのでは。。
《感想》わたしは降りたのだろうか?社会という電車から。。癒えてるだろうか?深く考えてみても、、まだわからないのは、、本当の「癒し」を体験した事ないのかもしれない。。

 

「愛する」

【感動】誰からも愛されるず、誰も愛さず、自分すら愛せない状態に思えても、、あたりまえに生活していくだけ、、生活し、観察し、触れる。。すると育っていく何かがきっとあるような気がする。。「自分にとって、、あれが愛だったんだ」と気づく。。
《感想》愛、、、人生において、切っても切れないもの。。男女の愛、、家族の愛、、動物への愛、、友との愛、、自己愛。。そう考えると、、わたしは愛に溢れていると思う。。

 

「耐える」

【感動】自分の力ではどうしようもない状況に、、ひたすら耐え続けること。。見事な生き方。。何かに懸命に耐えてる人は、、日常の営みに莫大なコストがかかっている。。耐え忍んでいる時、、人はそんな自分の姿が美しいと思わない。。しかしそれは美しい。。
《感想》これは共感した。。傷つき、、耐える姿に、、わたしは不謹慎ながら神々しく思えた事がある。。。とても口では言えないけど、、本当に感じた事だから、、、その感情を読んで思い出した。。感動。

 

「念ずる」

社会が目まぐるしい速さで進んでいく。。その波に呑まれ、信じて望んでいないものの出現をいつの間にか念じてしまう自分。。無責任な存在である。。
《感想》念か、、、祈りとは違い、、怖いイメージがある。。怨念、執念、疑念、雑念、信念、、など、、思いつめた感じ。。。

 

「待つ」

相手の成長を望むのであれば、、相手の中にある力を信じて待つこと。。
《感想》わたしは、、待つのは得意。。諦めず、、信じてます。。

 

「憎む」

最も嫌いな人間は、、自分の中で生き続ける。。自分自身の暗部が具現した存在だから。。著者の暗部(他人の個人的領域に踏み込み過ぎ、、相手に赦してもらおうとする身勝手な甘え)
《感想》憎み、、とても負のエネルギーを使う作業だと思い、、体力のないわたしは、、あえて、、避けて通っている。。。ただ、、嫌いな人は一貫して、、嫌いである。。わたしの中でどうしても許せない行為をする人は、、好きになる事が難しい。。

 

「見つめる」

頭の中の思い込みから自由になること。。「夕焼け」を見て、、頭の中の既知の夕焼けを思い浮かべ、、なぞるだけで済ますのは最も楽。。見つめるのは未知なる世界を堪能できるが多大なエネルギーを要する。。見つめ続けるとは、、危険な行為。。向こう側に行き、、戻ってこれない、、死の時。。
《感想》クラゲを見つめ続けると、、死に向かうと、、ある人に言われた。。幻想的世界を見続けると、、非日常に足を踏み込み、、戻る事ができなくなるのかもしれない。。見るとは、、とても安易で楽な方法だとわかった。。

 

「壊す」

壊し続けた著者。。物を乱暴に扱い壊し続けた。。人間関係までも。。小説でも、、人を壊し尽くしても、、足りないようだ。。破壊、、、石を壊さない限り、、宝石は生まれない。。
《感想》娘が、、可愛いとつい壊したくなると昔言ってた。。自分の心の奥底に近づき過ぎてしまった物や人を突き放すというのは、、壊すという事なんだろうなぁ。

 

「祈る」

大切な人を失った人。。それは全世界の崩壊に等しい。。平穏無事な生活を暮らしても、次の瞬間に絶望の淵に突き落とされる。。否応なしに祈る。。
真の祈りは届かない。。絶対者は応えてくれない。。自分には絶対に曲がりきれないカーブ。。その向こう側は、、人智を超えた領域である。。
《感想》祈ることは、、唯一、、相手の許可なく相手を想う行為だと、、思う。。押し付けることもなく、、気づかれることもなく。。

 

全てを読み終えた時、、すごく疲れた。。(このレビューを読んでくれた人が、、一番疲れたでしょう。おつかれさまです)


あとがきの著者のコメント
「テーマを決めて書くのは、難しくもあり面白くもあった」
確かに。。面白かったし、、今の自分を見直す事ができました。

 

 

『雪だるまの雪子ちゃん』 江國 香織

 

雪だるまの雪子ちゃん (新潮文庫)

雪だるまの雪子ちゃん (新潮文庫)

 

おすすめ ★★★★☆

【内容紹介】

あいらしく、りりしい野生の雪だるまの女の子雪子ちゃんの毎日には生きることのよろこびがあふれています。著者が長年あたためてきた初めての長編童話にオールカラーの銅版画を添えた宝物のような1冊。

【感想】

ある吹雪の日。画家の百合子さんの庭に迷い込んだ可愛い子供の野生の雪だるま、、雪子ちゃん、、物置小屋に住み着いた雪子ちゃんの好奇心旺盛な物語。。

雪子ちゃん、、とてもしっかりして、、生活感がある雪だるま。笑。。一人暮らしを始めるんだから、、ほんわかと雪を楽しんでる場合じゃないよね。。お店で買い物(ツケにしてもらってる)して、、料理して、、先に住み着いたネズミ達にも食べ物を与えて、、配慮を忘れない。。近くの小学校で勉強して、、読書もして(ひらがなだけ、読める)と、、勤勉な一面も。。夏は休眠して、、冬を待つ。。
山本容子さんの挿絵があったかくて、、とてもほのぼのするお話でした。。